台湾プロ野球データベース コラム集

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2019CPBLドラフト指名選手リスト 味全(13~28位)

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*1

 

⑬林孝程(リン・シャオチェン) 南華大学 173cm 75kg 19歳 右左 OF

 

主要国際大会経歴(高校以降) 

南華の核弾頭。高校時代は一時期ボールにバットが当たらないほどの極度のスランプも経験したが、コーチの熱心な指導もあり復調。南華大学ではトップバッターとして起用され、今年の春季リーグでも好成績を残した。

 

⑭黃東淯(ホァン・ドンユ) 南華大学 177cm 79kg 21歳 右右 P

〇闘志 △球威 制球

主要国際大会経歴(高校以降) 

ガッツ溢れる右腕。美和高中の1学年先輩には嚴宏鈞(ラミゴ)がおり、バッテリーを組んでいた。高校では135kmほどしか出なかった球速も、大学でトレーニングを重ね最速144kmに。短いイニングであれば140km前後を平均でマークし、変化球はカーブ、スライダー、決め球のフォーク。ストライク率も高く、時に声を上げながら打者とどんどん勝負していくタイプだが、球威は平凡なため甘く入った高めのボールを長打にされるケースが多い。精確なコントロールをプロでは身につけたい。

 

⑮張祐銘(ジャン・ヨウミン) 開南大学 177cm 72kg 22歳 右左 OF

〇パワー 肩 △選球眼

主要国際大会経歴(高校以降) 14年:U18アジア選手権 15年:U18ワールドカップ

吉田正尚オリックス)のような、小柄な体格から豪快なスイングを見せる外野手。高校時代から速いスイングスピードと安定したスイングを持つ打撃の評価が高く、フルスイングするタイプながら広角に打球を打ち分け、打球角度もある。しかし大学進学後は二塁打以上の長打は少なくないもののパワーツールの成長が遅くなり、大学での公式戦初HRは4年生になってから。低めの変化球と高めのストレートに手を出しがちな選球眼は改善する必要がある。スピードは平均レベルで、守備は打球判断と範囲は平均ながら、肩は平均以上で外野3ポジションではRFかCF向き。選球眼が改善されれば長打力のあるコーナーOFとして出場機会を得られるだろう。

 

⑯黃柏豪(ホァン・ボーハオ) 輔仁大学 180cm 80kg 22歳 右左 1B

〇パワー △1B専

主要国際大会経歴(高校以降) 14年:U18アジア選手権 15年:U18ワールドカップ

大学後半に成長を見せた「海外派」のパワーヒッター。高校時代前半は長打が目立たなかったが、高3に打撃フォームを修正後、パワーヒッターとして才能が開花。しかし大学進学後は3年生の終わりまでなかなか結果を残せず。本人も国内では試合数が少なすぎると感じたことから、16~18年には3年連続で夏休みの期間を利用してアメリカのサマーリーグに参加。それに伴い体格も立派に成長、選球眼とスイングの安定感が向上した。昨年のCPBLドラフトでは指名されなかったが、その後の大学リーグでは3HR、今年の春季リーグでも4番として活躍。打球はライナー性の打球が多いが、甘いボールは傑出したパワーでスタンドまで運んでいく。高校ではOFも、大学時代はほぼ1Bしか守っていないというポジションの制約もあって低順位での指名となったが、今年プロ入りを果たした。本人もプロ入り後はOFも再び練習する意向であり、チャンスを掴み取っていく。

 

⑰陳冠偉(チェン・グァンウェイ) 国立台湾体育運動大学 183cm 92kg 22歳 右右 P

〇フォーク

主要国際大会経歴(高校以降) 

彰化藝術高中出身としては初のプロ野球選手。父は興農で02~04年まで監督を務めた陳威成。母は客家人であり、客家人のプロ入りは劉時豪以来5年ぶり10人目。今年のドラフトは味全のトライアウトから参加し、その際に葉君璋監督がフォークに高い評価を与えた。オーバースローから最速143kmのストレートを投じる。

 

⑱牛塏曄(ニョウ・カイイェ) 新北市 171cm 103kg 25歳 右右 C

〇パワー 肩 △走力

主要国際大会経歴(高校以降) 

パワーと肩が自慢の社会人捕手。輔仁大学ではレギュラー捕手であり、17年には台北ユニバーシアードのトレーニングチーム、18年にはアジア大会のトレーニングチームに選出されたりと経歴も豊富だが、17年から3年連続でドラフトに参加し、今年ようやくの指名となった。打撃が最大の武器ではあるが、本人曰く長所は「守備と盗塁阻止のスピード」。

 

⑲李宇翔(リ・ユシャン) 新北市 172cm 58kg 22歳 右右 P

 

主要国際大会経歴(高校以降) 

下位指名からの秘密兵器となりたい右腕。高校時代は内野手兼投手としてプレー。大学から投手に転向し3年生の途中まではリリーフメインの起用だったが、18年からチームの先発不足の影響もあり先発に転向。最速は146km。

 

⑳曾柏融(ツェン・ボーロン) 中国文化大学 181cm 68kg 21歳 左左 P

〇変化球 内角攻め △ストレートの球威不足

主要国際大会経歴(高校以降) 

投げる「文化大学の柏融」。昨年の大学リーグでは準決勝で6.1IP/0Rと好投、今年の春季リーグでは7.0IPをノーヒットに抑えるなどここ最近は印象に残る好投が光った。トルネード気味に体を捻るフォームが特徴。最速は140kmに満たず、先発時のストレートは130km前半で球質も平凡だが、リリースポイントが高く投球に角度があり、また鋭く曲がるカーブ、チェンジアップ、フォークなどの変化球を組み合わせ打者のリズムを狂わせる。特にストレートとカーブは同じ腕の振りで見分けがつきにくい。内角を厳しく付けるのも評価できる。ただプロでこの技巧派スタイルを続けるのは厳しいため、ストレートの威力アップは必須。肩の可動域や痩せ型の体格も考慮すればアップサイドは一定あると思われるので期待したいところ。

 

陳震洋(チェン・ジェンヤン) 普門高中 177cm 78kg 18歳 右右 OF

〇パワー 肩 △選球眼 コンタクト

主要国際大会経歴(高校以降) 

普門のキャプテン。高校の先輩である邱丹(ラミゴ)のアドバイスを受けプロ入りを決意。高2までは内野手で高3からCFにコンバート、また高2までは金属バットの部でプレーしていた。今年の高校野球リーグでは嘉義市で2本のHRを放ったようにフルスイングとレッグキックから繰り出されるパワーが持ち味だが、スイングの軌道が大きすぎるためミートの確実性が不足している。また選球眼も悪く、変化球に崩されて空振りとなるケースが多い。ホームランとしているボールも速い速球ではないことも考慮したいポイント。現状ではパワーツールが長けている状態で他は向上の余地がある。守備は平均以上の打球判断能力と肩があり、CFとしてもプレーできそう。まずはじっくり二軍で育成したい。

 

㉒劉宇鈞(リォウ・ユージュン) 開南大学 177cm 72kg 21歳 右右 P

〇制球 △球威

主要国際大会経歴(高校以降) 

中国のMLB育成センター卒業生として初のCPBL選手。中学生の頃、父親が中国で仕事をしていたことから家族で移住。その際に野球をプレーする環境を求め、2011年に台湾人選手として初の江蘇のMLB育成センターのメンバーとなった。センターでの科学的トレーニングもありセンターのエース格に成長、17歳にして最速142km、ストレートの平均136kmをマーク。MLB育成センターを卒業後は台湾に戻り、開南大学でプレー。大学での登板機会は少なくMLBDCに戻りプレーすることもあり、ここ半年近くは実戦から遠ざかり自主練に励んでいたという。ストレートは最速142km、スライダーとフォークが主な持ち球で制球も安定している。テークバックの無駄な動きを減らせれば球威アップも期待できる。

 

㉓張皓緯(ジャン・ハオウェイ) 崇越隼鷹 176cm 72kg 24歳 右右 SS

〇SS守備 △打撃

主要国際大会経歴(高校以降) 11年:U18アジア選手権 14年:U21ワールドカップ 15年:光州ユニバーシアード 16年:U23ワールドカップ 17年:台北ユニバーシアード

国際大会の経験豊富な内野手。17年、18年のドラフトに参加も指名されず(17年は富邦が自主培訓選手(NPBの育成選手に相当)からの支配下登録を打診するも拒否)今年三度目の正直での指名となった。SS守備が特に評価が高く、正面でボールを捕りに行こうとするクセがあるものの、足捌きが素早くスムーズで、肩の強さ、送球の速さも申し分ない。ダイビングキャッチでアウトを奪う場面もよく見られる。ドラフトでなかなか指名されない原因となったのは打撃。スイングが安定せず、プロのボールについていけるかは疑問点が残る。出塁、長打能力共に目立ったものもないため内野の便利屋枠として、守備からまずはチームに貢献したい。

 

㉔林驛騰(リン・イーテン) 台北市 183cm 90kg 27歳 右両 OF

〇パワー △年齢

主要国際大会経歴(高校以降) 

今ドラフト参加者最年長のオールドルーキー。中学までは右打も高校で左打に転向、11~12年までインディアンスのRkでプレーし両打に転向するも、計34試合 打率.188 0HR 9打点 OPS.546にとどまり13年3月に解雇。その後は崇越、國訓、現在は台北市でプレー。16年から18年まで3年続けてドラフトで指名されずも、四度目の正直で指名を受けた。今ドラフト参加者唯一の海外プロリーグでプレー経験のある選手でもある。味全のトライアウトでもHRを放ったように、パワーが最大の武器だが、一軍参入時には29歳になっており若手の多いチームでは早めの結果が求められる。

 

㉕陳良志(チェン・リャンジ) 台湾電力 183cm 90kg 22歳 右右 P

アンダースロー △単調

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U23ワールドカップ

台湾電力の若きサブマリン。高苑工商から遠東科技大学に進学も18年に退学し社会人強豪の台湾電力でプレー。18年のU23ワールドカップではメキシコ戦でリリーフ登板し6.2IP/0R、先発の機会を与えられたコロンビア戦でも8.1IP/1Rと好投。それが自信となり、今年のドラフト参加を決意した。120km前半~中盤の沈むストレートを軸にゴロアウトを生み出す。90km台のカーブや100km前後のシンカーも投じるが、プロでは単調な投球にならないよう変化球も増やし、活用する必要がありそうだ。

 

㉖歐晉(オウ・ジン) 国立体育大学 176cm 110kg 22歳 左左 1B

〇パワー △1B専

主要国際大会経歴(高校以降) 

「ベービーオルティス」のあだ名を持つ小柄なパワーヒッター。ルカイ族であり、彼の名を一躍有名にしたのが09年のリトルリーグワールドシリーズ。宋文華とのダブルエースでチームを牽引、03年に台湾が大会復帰後の最高成績となる準優勝に貢献。高校は強豪の平鎮高中に進学し1Bとしてプレー、14年に18Uアジア野球選手権大会代表に選出されるなど実績も残したが、打撃の安定感が不足していることを理由に高校卒業後はドラフトに参加せず、国立体育大学に進学。しかし大学時代は目立った成績を残すことが出来なかった。パワーツールは平均以上だが、それ以外に平均以上のツールがなく、敏捷性も不足しており1B専と完全に打撃全振りと言ってよい。大学時代に食べ過ぎで体重が110kgまで増加。体重過多は本人も認めるところで、「プロ入り後はまず10kg減量したい」と語っている。

 

㉗高淮安(ガオ・ジュンアン) 国立体育大学 183cm 87kg 23歳 右左 OF

〇外野3ポジション可 △アプローチ

主要国際大会経歴(高校以降) 

細身の外野手。小学校で170cm近くあり、本人は野球をしたかったが、家族が反対しバレーをプレー。そのため野球を本格的に始めたのは中学からと遅い。高校時代は1番・CFとしてプレー。打撃はバットコントロールに優れ、広角に安打を量産する。大学進学後は長打力も向上させた。守備では外野3ポジションをソツなくこなしフライの判断や守備範囲も安定。しかし大学では打撃成績が安定しない時期が続いた。打席でのアプローチを向上させ、低めのボール球を振らないことが安定した成績を残す鍵となる。

 

㉘魏全(ウェイ・チュエン) 台北市立大学 182cm 77kg 21歳 右右 C

〇話題性 △経験

主要国際大会経歴(高校以降) 

今ドラフトで話題を集めた捕手。名前が球団名の「味全」と中国語の発音が同じということを理由にドラフト前から注目を集め、最終順位で指名された瞬間はドラフト会場が歓喜に沸いた。高苑工商では出場機会に恵まれずも、大学で攻守に成長した姿を見せた。本人は林泓育(ラミゴ)のような打撃に長けた捕手が目標と語っている。

 

参考

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2019CPBLドラフト指名選手リスト 味全(1~12位)

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*1

 

味全(指名32名)

劉基鴻(リォウ・ジーホン) 平鎮高中 182cm 73kg 18歳 右右 SS

〇パワー △敏捷性 守備範囲 3B向き?

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

強打のSSとして平鎮を支えたキャプテン。小学校時代は9つ全てのポジションを経験、中学時代は投手としてプレーする時期もあったが、中3進級前に球速が上がらなかったこと、打撃に自信が出てきたことで野手に専念。高校入学後は強豪校ゆえ競争が激しく金属バットの部からのスタート、1年まではSSだったが、2年になると江坤宇(中信兄弟)とポジションが重なり3Bにコンバート、3年から再びSSに戻った。2年から4番を務め、3年ではキャプテン兼4番として活躍。18年の黑豹旗では林承飛(ラミゴ)、江坤宇(中信兄弟)に続くチーム史上3人目となるSSでベストナインに選出された。SSとしては体が大きく敏捷性には欠けるが、送球、キャッチングは遜色なく「強打のSS」として活躍してきた。打撃ではスイングスピードが速く、ゴロやライナーの打球速度が速い。また長打と率を両立できており、長打力だけなら今ドラフトの高校生ではトップクラス。プロ入りにあたり改善すべきポイントは打撃では変化球への対応を高めることと、打球方向がレフト方向に偏りがちな為、広角に打てる技術を身につけシフトを敷かれないようにしたい。守備範囲が広くはなく、プロでは1Bまたは3Bに回る可能性もあるが、高校で魅せた守備の安定感が維持できればSSでもプレーできるだろう。

 

①徐若熙(シュ・ルォシ) 平鎮高中 180cm 80kg 18歳 右右 P

〇完成度 制球 △アップサイド 疲労

主要国際大会経歴(高校以降) なし

「怪物」李晨薰と並ぶWエースとして活躍した右腕。中学時代は守備範囲の広いSS兼投手としてプレーも、高校では打撃に自信が無いことから投手に専念。高1時は右肘の内、外側に骨棘がある影響でパフォーマンスにムラがあり、17年6月の玉山盃の大会後に右肘の違和感を訴え、同年9月に右肘軟骨の摘出手術を受け、昨年1月に復帰。手術後のリハビリの過程で下半身強化に勤しんだことが功を奏し、10月に自己最速153キロをマーク。ただ、頻繁な登板機会ゆえか平均球速は上がらず最近はリリーフ時でも140~145kmの間を推移する。(平鎮のコーチは最速149km、平均球速145kmとコメント)縦に大きく落ちる120km前後のカーブと120km台後半のフォークを主な変化球とし、発達した下半身から投げ込まれるフォームは安定しており、制球も良好。高卒投手としては完成度は高いが、海外でのプレーを諦めた要因でもある特段大きくない体格がネックで、アップサイドは大きくないと見られる。タイプとしてはリリーフ向きだが、チェンジアップも覚え始めており、配球のバリエーションが広がれば先発として育成されるチャンスもあるだろう。

 

②李凱威(リ・カイウェイ) 中国文化大学 174cm 70kg 21歳 右左 2B/3B

〇アプローチ 攻守の安定感 △内野安打の少なさ

主要国際大会経歴(高校以降) 15年:U18ワールドカップ 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

文化大学のリードオフマン。高校、大学時代は高打率と安定感ある守備で鳴らし、主に1番を務めた。小柄ながら締まった体つきをしており、スイングはシンプルでバットコントロールも良好。確実にボールをミートし大学生ではトップクラスの選球眼を備える。ヒットゾーンは広く、稀に逆方向に長打を放つ意外性も持ち合わせるが、ミートポイントを意識する余りフルスイングできないケースがあること、打球の方向を見てから一塁に走り出すクセは要改善。守備では運動能力、肩は平均レベルながらフライの判断やゴロのバウンドを計算する能力に長けており、安定感のある守備を見せる。プロでも即戦力の内野手として活躍できる実力は既に持ち合わせている。

 

②朱祥麟(ジュ・シャンリン) 開南大学 185cm 85kg 20歳 右右 2B/SS

〇長打力 △攻守の安定感

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

大柄ながら二遊間を器用にこなす選手。朱元勤(統一)はいとこにあたる。高校時代は打撃に突出したものはなかったが、大学進学後フルスイングするようになり才能が開花、中軸を打つまでになった。打撃は長打力を活かし各大会で数字は残しているが、スイングが遠回りしておりミートの確実性が不足している。守備は高校時代は1Bもスピードと身体能力を見込まれ大学入学後2B、2年からはSSも守るようになりOFもこなし、やや技術面で粗さを見せるも大柄ながら動きはスムーズで、スピードと肩を兼備している。長打力のあるユーティリティーが完成形となる。

 

③曾傳昇(ツェン・チュアンシェン) 高苑工商 176cm 65kg 18歳 右左 SS

〇守備 走力 △長打力不足

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

林子偉(レッドソックス)から「自分が高校生の時よりも守備が上手い」と言わしめた、守備が魅力のSS。彼の名を一躍有名にしたのは昨年の黑豹旗で魅せた好守。トップクラスのスピードと運動能力を持ち、キャッチングの感覚、打球へのアプローチも天性の物がある。守備範囲も広く、優秀なSSとしての資質を備えており、華麗なプレーで魅せるタイプのSS。欲を言うならば、プロ入り後は安定感も高めるよう心掛けたい。打撃はバットコントロールに優れてはいるがスイングの軌道が不安定でボール球を追いかけるシーンが多く、成績は目立っていない。自身も打力不足を認識しており、高3後半からは全力で振るシーンも増えているため、その成果を見守りたいところ。まずプロ入り後は同じ左打ちのSSである客員コーチの川崎宗則から多くを吸収したい。

 

③郭天信(グォ・ティエンシン) 中国文化大学 173cm 66kg 19歳 右左 SS/2B/3B/OF

〇俊足 守備範囲 ユーティリティー △小柄な体格 パワー不足

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

大学1年生でプロ入りを決意した内野手。高校時代は捕手以外の全ポジションを経験し、投手としても平均レベルの球速を計測。高3でキャプテンとなり、17年にはU18アジア選手権で3番SSとして打率.364をマーク。俊足を武器に高校卒業後海外でのプレーを嘱望された時期もあったが、卒業の1年前にMLBへ申請し契約資格を取得しなかったため、国内の中国文化大学に進学。大学では打撃と走塁速度の強化に努め、昨年代表入りしたU18アジア選手権では日本戦の4回裏二死1、3塁、吉田輝星(日本ハム)からセーフティースクイズを決めた。一塁到達タイム約4秒の走力とSS、CFのセンターラインを難なくこなせる広い守備範囲が武器で、(大学では2B/3Bも守った)打撃も空振りが少なく上位に置き投手をかき回すタイプ。ただ小柄な体格でアップサイドは小さく、俊足巧打タイプとなるとCPBLでは即戦力は難しく、一軍で活躍するには時間を必要とするだろう。課題は内野守備の正確性と変化球への対応。

 

④吳俊杰(ウー・ジュンジェ) 開南大学 187cm 76kg 22歳 右右 P

奪三振能力 リリーフ向き △投球術

主要国際大会経歴(高校以降) 17年:台北ユニバーシアード アジア選手権

一年で成長を見せた長身の本格派右腕。高校時代に国際大会の経験は無かったが大学で球速をアップさせ、17年には台北ユニバーシアードアジア選手権で代表入りを果たした。しかし昨年のドラフトでは中信兄弟からドラフト8位指名も指名順位が低かったことを理由に入団せず。その後は開南大学でプレーを続け、テークバックを小さくするフォーム改造に着手。他にもフォークの比率を増やしたり、制球とスタミナを改善させるなど一年を無駄にせず過ごした。先発時は140~145kmのストレートに落差の大きいカーブ、スライダー、フォークを持ち球とし高い奪三振能力を誇る。欠点は効率的な投球が出来ず、余計な変化球や高めへの吊り球で無駄な球数を重ねてしまうこと。これまでは先発メインでプレーしてきたが、短いイニングを全力で投げるリリーフ向きの投手であり、プロでもすぐに勝ちパターンには入れるだけの実力を持っている。

 

④郭郁政(グォ・ユージェン) 南華大学 188cm 80kg 21歳 右右 P

〇アップサイド 角度 △球威不足

主要国際大会経歴(高校以降) なし

先発としての将来性に期待したい右腕。普門高中-南華大学からのプロ入りは昨年のラミゴのドラフト1位翁瑋均以来2人目。高校時代から140kmをマークも、制球が不安定で出場機会は少なかった。大学では投球フォームが安定し、それに伴い制球も改善。今年はCPBLドラフトトライアウトの前に行われた、味全のトライアウトに参加。(CPBLドラフトトライアウトは不合格)そこで先発として2イニング無失点と好投したのも影響しての上位指名か。ストレートは最速145km(リリーフでは140~143km)で、スライダーを勝負球に使い、他にチェンジアップと空振りを奪えるフォークも投じる。南華大学の蔡仲南監督からはアップサイドの大きさ、身長を活かした投球の角度を評価されている。現時点ではプロですぐに使えるレベルではないが体格も立派であり、将来性に期待したい。

 

⑤林子昱(リン・ズーユ) 台南市 185cm 78kg 25歳 右右 P

〇球速 球種 △年齢

主要国際大会経歴(高校以降) なし

スピードが持ち味の細身右腕。2014年に成立したばかりの社会人チームである台南市からは初のプロ野球選手となった。17年から台南市でプレー以降、体格が立派になり球威も向上した。昨年のドラフトでは指名漏れも、今年のCPBLドラフトトライアウトは参加者最速の148kmをマーク。スムーズなデリバリーから沈む軌道を辿る、リリーフ時145~148kmのストレートにカーブ、シンカー、フォーク、チェンジアップと球種は豊富。以前はカーブとストレートを投げる時の腕の振りの速さの違いが目立つ時期もあったが、現在は改善されている。

 

⑥森榮鴻(セン・ロンホン) 崇越隼鷹 183cm 83kg 24歳 右右 P

〇ストレート △2度のトミージョン手術 制球

主要国際大会経歴(高校以降) 16年:U23ワールドカップ

故障からの再起を期す右腕。張志豪(中信兄弟)は母方のおじにあたる。2012年AAA世界選手権では曾仁和(カブス)とのダブルエースとして活躍、12年のWBC予選では代表入りするなど順調な成長ぶりを見せていたが、その後肘を傷め手術を行い復帰するも今度は登板中に肘の靱帯を損傷、トミージョン手術により大学在籍中は約3年半にわたるリハビリを余儀なくされた。16年のドラフトにラミゴが即戦力として4巡目で指名したが、指名順位が低かったこともあり契約せず。その後崇越隼鷹に入団するも、17年の春季リーグで右肘靭帯を損傷、同年10月に二度目のトミージョン手術。手術後はリハビリをしつつ、親戚の家具工場でも働いた。リハビリは幸い順調で今年の春季リーグで復帰。球速は150km近くまで戻っており、持ち球はスライダーとチェンジアップ、制球はやや不安定。

 

⑦張政禹(ジャン・ジェンユ) 南華大学 180cm 68kg 19歳 右左 SS

〇アップサイド △守備の安定感

主要国際大会経歴(高校以降) なし

細身の高卒内野手。美和高中を卒業した昨年にドラフト参加も指名漏れ。今年も「期待していなかった」と話すが、大学野球リーグでトップの打率.562をマーク、見事1年生での指名となった。高校時代は打撃は目立たなかったが、大学入学後スイングの安定感とパワーが向上。守備はキャッチング、柔軟性、打球反応共に良好で頭も使える選手。安定感が増せば、隠れた掘り出し物になれる可能性がある。

 

⑧蔡明憲(ツァイ・ミンシェン) 南華大学 184cm 75kg 20歳 右右 P

〇制球 アップサイド △投球の角度 球威

主要国際大会経歴(高校以降) なし

細身の先発候補右腕。味全のトライアウトでは先発し2.0IP/1R。制球力が高く、大学入学後球速もアップ。リリーフ時は140~143km前後をマーク、先発時は140km前後のストレートと125km前後のウイニングショットのスライダー、チェンジアップを投じる。課題は投球の角度と球威が不足しており、高めの失投を長打にされるケースが多いこと。

 

⑨呂偉晟(ル・ウェイチェン) 崇越隼鷹 188cm 75kg 20歳 右右 P

〇球速 体格 △制球 再現性

主要国際大会経歴(高校以降) なし

速球派右腕。高校時代から球速も速く、昨年のCPBLトライアウトでは145kmをマークするも、制球が不安定なこともあり不合格。今年は味全のトライアウトに参加しアピール、特に高校から修正してきたリリースポイント、サイド気味の腕の振りからオーバースローに近い腕の振りに変えたことで角度がつき球威をアップさせた。変化球は鋭いカーブがあるが、課題の制球は相変わらずで投球の再現性は低い。投球技術を全体的にこれから磨いていく必要がある。

 

⑩莊玉彬(ジュアン・ユビン) 美和高中 180cm 70kg 18歳 右右 P

〇ストレート ストライク率 アップサイド △メンタル 試合経験

主要国際大会経歴(高校以降) なし

高校で大きく成長した右腕。中学時代は試合経験が少なかったが、美和高中入学後、元兄弟監督の陳瑞振の熱心な指導もあり、大きく成長。高2で135kmにとどまっていた球速は高3で143kmにまでアップした。しなやかな腕の振りから繰り出す先発時135~140kmのストレートのクオリティは高く、空振りを多く奪える。制球は平均レベルながらストライク率が高いため少ない球数で長いイニングを投げられる。変化球は110km前後のカーブと120km前後のフォークがあるが、どちらもまだ未完成。現時点ではメンタルと試合経験が不足しているが、高校時代の成長スピードの速さを見ると、プロ入り後のアップサイドも大きいと見込まれる。目標とする選手は千賀滉大(ソフトバンク)。

 

⑪全浩瑋(チュエン・ハオウェイ) 美和高中 178cm 82kg 21歳 右右 C

〇肩 パワー △変化球への対応

主要国際大会経歴(高校以降) なし

強打と肩が魅力の捕手。高校時代から中軸を任され、大学でも強打の捕手としてレギュラーに。大学生捕手ではトップクラスの強肩を誇り、キャッチング、ブロッキングも平均以上で安定感のある守備を見せる。打撃はパワーがあり、長打も飛び出すことがあるが、スイングの軌道が長く変化球を見極める能力がまだ低い。今年の大学野球リーグでは全体ドラ1の江國豪からホームランを放った。

 

⑫洪瑋漢(ホン・ウェイハン) 国立台湾体育運動大学 170cm 70kg 23歳 左左 OF

〇走力 コンタクト 守備範囲 △パワー アプローチ

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

代表の「1番・CF」を任された核弾頭。15年の協會盃では打率.684、12打点をマークし大会史上初の野手からのMVP選出。その年のアジアウインターリーグでは中華培訓の一員として出場し12試合、打率.240。昨年は世界大学野球選手権、U-23代表に選出され、主に1番・CFを任された。打撃はバットコントロールに長け、空振りが少なく容易にアウトにならない。またトップクラスの走力でセーフティーバントや内野安打での出塁も多い。ただ体格は小さくパワー不足であり、ゾーン理解の不足ゆえ手を出すボールの範囲が広すぎることが欠点。また外角のボールはほとんど流し打ちでヒットにするスタイルもプロで通用するかは疑問符がつく。守備では高い運動能力を活かしたスピードと広い守備範囲でアマ最高のCFとの評価を受けるが、打球判断を稀に誤ることがあり、肩は平均レベル。ストライクゾーンをしっかり管理し自分のスイングが出来るようになれば4番手外野手としてチャンスは増えるであろう。

 

参考

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2019CPBLドラフト指名選手リスト 統一+ラミゴ

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*1

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*2

 

統一(指名6名)

①林安可(リン・アンケ) 中国文化大学 184cm 90kg 22歳 左左 OF/P/1B

〇ストレート 二刀流の可能性 △制球 投球の幅

主要国際大会経歴(高校以降) 14年:U18アジア選手権 15年:U18ワールドカップ 16年:U23ワールドカップ 17年:アジア選手権台北ユニバーシアード 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

CPBL初の二刀流の可能性を秘めた選手。アルゼンチン人の母を持つハーフで、高い運動能力を持つ。中2時に投球過多による左肩骨折で約1年を棒に振るも、強豪・南英商工に進学後、エース兼クリーンナップとして高2から頭角を現し、14年のU18アジア選手権、15年のU18ワールドカップ代表に選出。大学入学後は投手メインでのプレーとなり球速が147kmまでアップ。スムーズな投球フォームから質の良いストレートに、スライダーとチェンジアップ、カーブを組み合わせ三振を奪う。ただ制球が不安定な場面が少なからずあり、球数が増え気味な点は要改善。一方野手の練習は大学時代ほとんどしていないと本人は語るが、持ち前のセンスで好打を連発、OF守備もそつなくこなす。18年のU23ワールドカップでは投手としての登板はなく、OF/1Bとして打率.545(11-6)の好成績だった。ここ数年はアメリカ、日本でのプレーを目標にしていると口にし、昨年11月には東北楽天の入団テストに参加するも不合格。現状アマ時代の実績はあるものの、エースポテンシャルとまではいかない。あるスカウトによるとここ2年の登板数が多く、投手としての成長が思ったほど見られなかったことから、野手としての評価が上回っているとの声もある。統一はまずOFとして起用する予定。

 

②羅暐捷(ルォ・ウェイジェ) 高苑工商 175cm 70kg 18歳 右左 C

〇打てる左打の捕手 △守備

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

高校の2年先輩の廖健富(ラミゴ)のような、打力に長けた高卒捕手。中学時代から打撃が光っていた選手であり、捕手としての出場機会を増やしたのは高2の後半から。捕手の他にOF、1Bもこなし、昨年のU18アジア選手権ではOFとして代表入り。打撃はスイングスピードが速く、ライナー性の打球が多い。高校3年間で打球の飛距離も伸びるようになり、将来は捕手でありながら中距離、長距離砲になれるポテンシャルを持っている。ただしスイングが遠回りする癖があり、外角のボールに姿勢を崩されることが多く、変化球へのアプローチを向上させたい。走力は平均レベルで、守備は捕手としてはキャッチング、ブロッキングは平均レベル。また肩はあるものの送球が不安定で、ベース周りの処理も苦手としている。守備はまだプロレベルには達していないが、チーム唯一の左打ちの捕手として、打撃のポテンシャルでアピールしていくことになるだろう。

 

③吳承諭(ウー・チェンユ) 開南大学 181cm 85kg 22歳 右左 P

〇球威 リリーフとしての経験値 △制球 スタミナ

主要国際大会経歴(高校以降) 15年:U18ワールドカップ 17年:アジア選手権 18年:U23ワールドカップ

15年にABL・メルボルンでもプレーした右腕。鶯歌工商出身としてはラミゴ3巡目の林澤彬と共に初のプロ野球選手となった。高校は名門校ではなかったが、エースとして14年の黑豹旗8強入りに貢献。大学ではリリーフメインも、今年3月以降はプロを意識してか、先発でも投げる機会があった。体をトルネード気味に捻りながら投げるため球種が判別しにくく、腕の振りが速いため打者に威圧感を与える。ストレートの最速は149kmで、リリーフでは144~147kmのストレートを投じる。オーバースローから投げ下ろす120km前後のカーブは落差が大きく、高い制球力を誇りカウント球として機能している。勝負球は右打者の内角に沈むような軌道を辿る120km後半のフォーク。前述したように先発でも起用されたが長いイニングだと球威が持続しないことが多く、デリバリーがスムーズではないため制球の安定感が不足している。プロではやはり短いイニングで勝負するリリーフが適任か。昨年11月には東北楽天の入団テストに1巡目の林安可と共に参加するも不合格だった。父は電子、家具、飲食関係の事業を行うビジネスマンであり、06年に誠泰コブラズが売却の意向を示した時には買収に関心を示したこともあったという。

 

④柯育民(ケ・ユーミン 国立台湾体育運動大学 175cm 77kg 21歳 右右 C

〇守れるポジションの豊富さ △実績

主要国際大会経歴(高校以降) なし

意外な上位指名を受けた捕手。高校ではSSメイン、大学で捕手に転向、今年はOFも守った。17年には自行培訓(練習生)として統一の二軍でプレー、18試合 .258 HR 2打点 OPS.582。劉育辰監督代行からは運動能力を評価されており、捕手ではなくSSからプレーして欲しいとの考え。チームは20代の捕手が多いため、SSに転向した方が出場機会はありそうだ。

 

⑤邱智呈(チョウ・ジチェン) 穀保家商 168cm 80kg 18歳 左左 OF

〇長打力 選球眼 △小柄な体格 コーナーCF向き

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

長打と選球眼が武器の穀保の核弾頭。中学時代はエース兼3番打者も、小柄な体格が理由で高校では投手に専念。高1の後半からOFのレギュラーとなった。内外角の対応がしっかりでき、広角に深い場所まで長打を生み出すことが出来る。同時に我慢強いアプローチも兼備しており、スピードは平均レベルながらもチームの1番打者を任される要因となった。課題は低めのボール球に手を出しがちな点。守備は打球判断、範囲ともに平均レベル。プロでは長打力のあるコーナーOFとしてアピールすることになるだろう。

 

⑥黃紹熙(ホァン・シャオシ) 崇越隼鷹 178cm 80kg 25歳 右両 OF

〇スピード ユーティリティー性 △年齢 パワー不足

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18アジア選手権

二度目のドラフトで夢叶えた元四国アイランドリーガー。父はCPBL通算1582安打をマークし守備でも魅せた名二塁手の黃忠義。高校から日本に野球留学し、岡山共生高と京都成美大学でプレー。その後一時的に台中威達でプレーした後に国立台湾体育運動大学に入学。17年には四国IL・愛媛で27試合 打率.219 1HR 7打点 OPS.606をマーク。その後は台中運動家でプレーも18年5月にチームが解散、CPBLドラフトに参加するも指名漏れ。それからは無所属の状態が続いていたが、今季は崇越隼鷹でプレーした。元々は左打ちだったが、16年前半頃からスイッチヒッターに転向。元々守っていた2B/SSに加えてここ数年はOFとしての出場機会が増え、内外野こなせるユーティリティー性は魅力も、パワー不足であり年齢も考慮するとバックアップとしての出場機会がメインとなるだろう。

 

ラミゴ(指名7名)

①蘇俊璋(ス・ジュンジャン) 中国文化大学 178cm 70kg 20歳 右右 P

〇連投 メンタル △投球のバリエーション

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

中国文化大学の守護神。中学時代はリリーフ投手兼捕手で、高校では先発メインも、大学で再度リリーフに転向。上背はないが、高いリリースポイントから、ボールの出所が分かりにくい腕の振りでリリースするため打者は対応しづらい。ストレートは最速147km、平均140~144kmほどで内外角に投げ分けられ、120kmほどのカーブと125kmほどの鋭いフォークを組み合わせ、高い奪三振能力を持つ。大学時代は抑えとして登板機会も多かったが、故障や疲労を訴えることも少なく、強心臓でもあり抑え向きの投手である。ただ球種が単調であり、プロ入り後はもう一つ変化球を覚えたいところ。

 

②李承禎(リ・チェンジェン) 平鎮高中 185cm 85kg 18歳 右右 P

〇球種の豊富さ 制球 △アーム式 ストレートの球威

主要国際大会経歴(高校以降) なし

平鎮のイニングイーター。中学ではエース兼クリーンアップとして活躍、平鎮入学後は出場機会に恵まれずも、高2からチャンスを掴むと各大会で活躍。リリースポイントは低く、高いストライク率でテンポ良くゾーンを攻める。140km前後のストレートはツーシーム系のクセのあるボールで、変化球はバルカンチェンジをメインとし、他にスライダー、カーブ、フォークと球種は豊富。制球力を高く評価されており、投球技術も成熟したものを見せ、効率良く長いイニングを投げる術に長けており完投も多い。課題としてはストレートの空振りが少ないため球速の向上と、より内角への投球比率を増やしたいところ。アーム型のフォームのため故障の心配はあるが、アップサイドは大きいため先発としてじっくり育成したい。

 

③林澤彬(リン・ゼビン) 国立台湾体育運動大学 175cm 68kg 20歳 右左 SS

〇攻守のバランス △目立った長所がない

主要国際大会経歴(高校以降) なし

統一のドラ3吳承諭と同じく、鶯歌工商から初のプロ野球選手。高校時代は2Bを主に守り、大学からSSメインになり、長打力が向上しボール球を容易に追いかけなくなった。守備はキャッチングにセンスを見せ、柔軟性もある。知名度が高くない中での3巡目指名は味全が内野手を上位で確保していく中でのやむを得ない指名だったのか、元々狙った上での指名だったのかは気になるところ。

 

④曾琦(ツェン・チー) 国立体育大学 188cm 78kg 22歳 右右 P

〇ストレート ゴロボーラー △トミージョン手術明け

主要国際大会経歴(高校以降) 15年:U18ワールドカップ 16年:U23ワールドカップ

トミージョン手術からの完全復活を目指す右腕。高校時代はMLB球団もマークするなど高い評価を受け、大学入学後も16年のU23ワールドカップで代表入りするなど順調だった。しかし17年の台北ユニバーシアードのトレーニングチームに入るも代表を逃すと、この頃から肘に違和感を感じ制球を乱すようになるも靭帯断裂には半年間気付かず、結局18年1月にトミージョン手術。リハビリ期間は同じくトミージョン手術を受けたダルビッシュ有カブス)の動画を見て大きく励まされたという。約1年にも及ぶリハビリを経て今年の春季リーグから復帰した。17年に152kmをマークしたストレートは現在では145kmまで出るようになった。変化球はスライダー、カットボール、チェンジアップ。三振は多くないが、打者にミートポイントを絞らせず少ない球数で打ち取っていくスタイルで、現在は先発よりもリリーフとしての登板機会が多いが、タイプとしては先発向きである。

 

⑤張喜凱(ジャン・シーカイ) 中国文化大学 180cm 70kg 20歳 右右 P

アンダースロー 内角攻め △投球のバリエーション 球威不足 制球

主要国際大会経歴(高校以降) 16年:U18アジア選手権

文化大学のサブマリン。大学を退学し今ドラフトに臨んだ。烏来出身のタイヤル族で、野球をするため新莊の小学校に転校。中学までは主に内野手としてプレーも、守備時にサイド、アンダースローで送球することが好きだったこともあり、高校2年生の後半に入りコーチが投手、しかもアンダースローの転向を薦めた。当初は不慣れだったものの牧田和久渡辺俊介の投球動画などを見て研究。16年の高校野球リーグでは桃園農工(現北科附工)を優勝に導く活躍を見せ、決勝では6.0IP/0R(6回コールド)。その活躍もあり玉山盃の桃園市、U18アジア選手権に代表入り。U18アジア選手権では決勝の日本戦に先発、5.1IP/1Rの好投で一躍名を挙げた。文化大学に進学後は先発、リリーフの両方を器用にこなした。大きく横に曲がる120km前後のスライダーと110km前後のカーブ、リリース時に浮き上がり、ベース附近で沈む130km前後のストレートでゴロアウトを生み出す。曲がりが大きい変化球を持ちながらも、内角を突ける厳しさも持ち合わせ、左打者も苦手としていないのも強み。ただアンダースロー故体への負担も大きく、制球を乱すシーンが見られる。また球威不足も気になる点であり、プロ入り後は制球力を改善するなどして対策したい。

 

⑥莊昕諺(ジュアン・シンイェン) 南英商工 183cm 86kg 18歳 右右 P

〇球威 奪三振能力 △球種不足 緩急不足

主要国際大会経歴(高校以降) なし

離島・澎湖出身、南英のエース。昨年ラミゴに5巡目で指名された陳克羿は高校の1つ先輩にあたる。中学までは目立った成績を残してこなかったが、野球を続けるため高校から台南へ。高2から登板機会を増やしていった。小さめのテークバックから最速146km(先発では140km前後)のホップ気味のストレートと125km前後のスライダー、120km前後のカーブで奪三振を多く奪う。コントロールも良好でストライク率も高く、長いイニングを投げることが出来る。タイプとしては先発向きだが、球種がまだ少なく、投球の緩急を身につけたい。

 

⑦楊瑞承(ヤン・ルイチェン) 臺中台壽保 180cm 90kg 25歳 右左 3B

〇パワー 作戦遂行能力 △年齢 実績

主要国際大会経歴(高校以降) なし

即戦力としてアピールしたい内野手。昨年「楊家祥」から改名。大学時代は目立った成績を残せず、17年にドラフトトライアウトを受験したが不合格も、今年再度ドラフトトライアウトを受験し4打数3安打とアピール、2年越しの夢を叶えた。長打力が武器だが、作戦遂行能力が高く小技も得意とする。ラミゴの近年の7巡目指名は藍寅倫、朱育賢、黃子鵬などチームに欠かせない主力として活躍している選手が多いが、これに続けるか。今年26歳とアピールに残された時間は少なく、三連覇を目指すチームゆえ内野の層も厚い。社会人チームで得た経験と安定感をもって、確実に与えられたチャンスをものにしたい。

 

参考

Taiwan Baseball Notes

https://www.youtube.com/channel/UCJ8cnUlVCybEsYRoRNwXNbA

Twinkle一瞬之光

https://www.sportsv.net/authors/salada

2019CPBLドラフト指名選手リスト 中信兄弟+富邦

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*1

 

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*2

 

中信兄弟(指名8名)

①岳政華(ユエ・ジェンホァ) 穀保家商 170cm 76kg 18歳 左左 OF/P

〇制球 守備範囲 △投球フォーム 野手としての経験不足

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U18ワールドカップ

穀保が誇る二刀流。兄は17年中信兄弟ドラフト1位の岳東華。高2から先発として起用されるようになり最速145km、平均140kmを出せるまでに成長。制球力に長け、打者に手を出させるカーブ、チェンジアップが主な持ち球。速い腕の振りから放たれるストレートも質は高いが、腕の振りが長い故負担のかかるフォームなのがネック。高3に肘の故障から投球ができず、メインとなった野手としては走力は平凡ながら高い打球判断能力を持ち、広い守備範囲で外野3ポジションをそつなくこなす。打撃はフラットなスイングからライナー性の強い打球を放ち、スイングスピードも速いが、試合経験の少なさ故高校で大きく伸びることはなく、内角の速いストレートへの対応にやや弱さを見せる。野手としてはCF向きだが、プロでは投手か野手どちらかに絞るほうが将来の伸びしろは大きくなると見られる。スカウトの中では野手の評価の方が高い。GMは二刀流の可能性も残しているとコメントしているが、現時点では野手として起用される見通し。

 

②魏碩成(ウェイ・シュオチェン) 遠東科技大学 182cm 78kg 22歳 左左 P

〇チェンジアップ マウンド捌き △投球フォーム

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

「第二の呂彦青」候補の左腕。高校時代は最速130kmほどしか出ず、完成度の高い投手ではなかったが、大学は教育、設備、指導環境を考慮し、国立大学からの誘いを断り遠東科技大学に進学。入学後は先発としてプレーも目立った成績を残せていなかったが、18年7月の世界大学野球選手権で初めて台湾代表入り。選出当時は「奇兵」とも評されたが、予選のチェコ戦で7.0IP/10K/0Rと上々の投球を見せ予選突破に貢献すると、18年10月のU23ワールドカップでは日本戦に先発し7.0IP/3Rの好投。先発し3.0IP/4Rだった世界大学野球選手権決勝の日本戦の雪辱を果たし、試合には敗れたが一躍名を上げた。闘志溢れるマウンド捌きとチェンジアップが武器で、ストレートは平均138~140km、最速145km。左腕独特の角度で内角のストレートは打者が詰まらされやすい。他にカウント球として用いるカーブ、スライダー、フォークも投じる。腕が遠回りに出てくるフォーム故制球力と、上半身に頼り気味で下半身が使えていないフォームが気になるところ。昨年にもCPBL球団からドラフト参加を勧められたが、最終学年の今年に参加を決断した。チェンジアップとカーブを磨けば、イニングイーターとして活躍できるポテンシャルがある。

 

③曾頌恩(ツェン・ソンエン) 台東大学 178cm 92kg 19歳 右右 OF

〇パワー △完成度

主要国際大会経歴(高校以降) なし

意外な上位指名を勝ち取った外野手。中学は大理国中でプレー、高校は平鎮高中に進学するも木製、金属バット両方のチームで試合に出られるチャンスがなく、3年に父親の友人の紹介で玉里高中に転校。その後は中心打者として活躍した。パワーツールが長けており、走力も平均以上だが、打撃は欠点も多く守備は平均的で、コーナーOFに落ち着くと見られる。

 

④張聖豪(ジャン・シェンハオ) 東大体中 175cm 70kg 18歳 右右 C

〇強肩 守備力 アプローチ △打撃の再現性

主要国際大会経歴(高校以降) なし

今年の高卒捕手でナンバーワンの守備力を誇る選手。小学校から現在までポジションは捕手メイン。守備はブロッキング、ベース周りの打球処理が良好で、高いリーダーシップも備える。そして一番の売りは今年の高校生でナンバーワンとも言われる強肩で、ポップタイムはCPBLの捕手の平均を上回るほど。打撃はアプローチが傑出しておりボール球に簡単に手を出さず、スイングはスピードとパワーを兼備しライナー性の長打も飛び出す。速球にも力負けしないローボールヒッターだが、スイングが不安定でボールの上を叩いてのゴロアウトが多い。走力は平均以下。

 

⑤黃弘毅(ホァン・ホンイ) 東大体中 183cm 78kg 18歳 右右 P

〇ストレートの向上 △スタミナ 球種不足

主要国際大会経歴(高校以降) なし

細身の東部出身右腕。台東出身で、ここまでのキャリアを全て台東で過ごしてきた。国際大会代表には縁が無かったが、今年6月のU18ワールドカップ代表候補36人に選出された。痩せ型の体格から左足を高く上げるフォームが特徴で、デリバリーもスムーズ。球速は高3の夏休みまで最速138kmも、昨年12月に142km、今年の高校卒業前には146kmをマークするなど球速の向上が著しい。高いリリースポイントから平均138km前後も威力あるストレートに、120km前後の縦に大きく落ちるカーブを組み合わせる。制球はアバウトながらストライク率は高い。課題はスタミナで4、5回で球速が落ち始めること、カーブ以外に実戦で使える球種が無いこと。体格、投球の成熟度はまだまだだが、プロの環境で先発として育成されれば化けるポテンシャルは持っている。

 

⑥劉劭威(リォウ・シャオウェイ) 新北市 191cm 107kg 23歳 右右 P

〇球威 フォーク △制球

主要国際大会経歴(高校以降) なし

球威が自慢の大型リリーフ右腕。高校時代は投手としてプレーも怪我に苦しんだ。卒業後はMLB球団から10~12万ドルの契約金を提示されたという。しかし中国文化大学入学後は膝の故障により球速が落ち、大3で野手転向。卒業後新北市入りしてから高校時代のコーチのアドバイスを契機に投手に再転向した。直近のポップコーンリーグでは9.0IP/13K/0Rの好成績でリーグ最多の7セーブをマーク。大柄な体格から最速151km、安定して140km後半をマークするストレート+145km近く出るフォークが武器。チェンジアップも投じるが、制球はまだ荒削り。チームには新北市から同じくプロ入りした吳俊偉がいるが、ストレートで押すタイプとしては似ている。

 

⑦林瑞鈞(リン・ルイジュン) 西苑中学 173cm 65kg 18歳 右左 SS/2B/3B

〇三振の少なさ アップサイド △守備の安定感

主要国際大会経歴(高校以降) なし

攻守のバランスに長けた高卒内野手。小学校までは右打ちで、中学から左打ちに転向したが適応できず1、2年時はスランプに。高校では主にSSを任され、高2からはクリーンナップに入る機会が増えた。打撃は三振が少なく、ミート力に長けている。走力は平均以上で、SSとしても高い敏捷度と一歩目の速さがある。肩は平凡も平均以上の守備範囲を誇り、体勢が不安定な中でもすぐに一塁へ送球するなどセンスの高さを見せる。打撃ではスイングの不安定さ、守備では安定感の向上と平凡なミスを減らしたい。高3になってから打力は向上しており、アップサイドにも期待が持てる。ドラ1の岳政華とは同じ中学出身(三星国中)で、再びチームメートとなった。

 

⑧邱志恆(チョウ・ジヘン) 穀保家商 175cm 85kg 18歳 右右 OF

〇パワー △走力

主要国際大会経歴(高校以降) 17年:U18ワールドカップ

小さな未来の大砲候補。中学から長打力は知られるところであり、穀保に入学後は1年から4番を任され活躍。2年時にU18ワールドカップ代表入りするも、大会中に父親が亡くなる不運などもありスランプに。その後は出番が減少、昨年3月の高校野球リーグ決勝では勝負を決定づける代打HRを放つ活躍も、3年後半は代打としてベンチを温める機会が増えた。打撃は速いスイングスピードと爆発力が魅力で「振り切る」スイングは見ていて気持ちが良い。走力は平均以下、守備も傑出したものはなくコーナーCFに落ち着くと見られる。

 

 

富邦(指名10名)

①江國豪(ジャン・グォハオ) 国立台湾体育運動大学 180cm 80kg 21歳 右右 P

〇制球力 スタミナ △変化球の制球

主要国際大会経歴(高校以降) 17年:台北ユニバーシアード アジア選手権 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

今ドラフトの投手でトップクラスの完成度を誇る即戦力右腕。麥寮高中からは初のプロ野球選手となった。中高時代は無名に近い存在だったが、実力は評価されていた。高1で125kmだった球速は高3に140km超え。大学では1年から主力投手として活躍、1~2年はリリーフメインで3年から先発メインに。スムーズなデリバリーから速い腕の振りで先発としては140km前半を安定してマークし、最速は147km。ツーシーム、130km前後の鋭いスライダー、130km前後のチェンジアップ、120km前後のカーブと球種は豊富。アマトップクラスの制球力でコーナーを突き、内角へのボールで打者を詰まらせるシーンも多い。先発でも十分なスタミナを誇るが、変化球の制球、特にチェンジアップに甘さがある点は改善したい。当初は海外でのプレーを希望していたが、今年は球団増もあってかCPBLでのプレーを決めた。三振を多く奪えるタイプではないので、制球力をどこまでプロで維持できるかが鍵となるだろう。

 

②朱益生(ジュ・イーシェン) 台北市立大学 183cm 83kg 19歳 左左 P

〇制球力 変化球 △球威

主要国際大会経歴(高校以降) 17年:U18ワールドカップ

細身の技巧派左腕。平鎮高中では左腕エースとして活躍、16年のMAZDA台日高中棒球菁英對抗賽の決勝では履正社高校が主体の大阪府選抜を相手に完封勝利。しかし高3で投球過多に伴う疲労から絶不調に陥り、卒業後はCPBLドラフトに参加せず、台北市立大学に進学。体格は痩せ型で力感のある投球フォームではないが、ベース附近で微妙に動くストレートの最速は144km。ただ先発としては平均135km程度、リリーフ時に140km前後と球速に頼ることなくコーナーに投げ分ける制球力で打者を料理する。変化球に関してはベストピッチであるチェンジアップと、スライダーとカーブは共に打者のミートポイントを外す効果がある。今の球威だとプロで即通用するかは難しいが、優秀なリリーバーになれる素質を持っている。

 

③林聖榮(リン・シェンロン) 台北市立大学 178cm 65kg 18歳 右右 P

〇ストレート 球種の豊富さ △投球過多 制球

主要国際大会経歴(高校以降) なし

大理高中の二刀流。吳蔚驊、蔡齊哲(共に中信兄弟)はいとこにあたり、富邦10巡目の李建勳と同じく大理高中からのプロ入りは今年打棒を爆発させている朱育賢(ラミゴ)以来。中学で142kmをマークし、高1からチームの主力投手に。2年までは球速が上がらなかったが、3年になり体格が立派になり、それに伴い球速が上昇し現在の最速は147km。ストレートは先発時は平均138km前後、リリーフでは145km前後までギアを上げる。また伸び上がる軌道で、ツーシーム系のボールになることもある。変化球は115km前後のカーブ、左打者に多く用いるチェンジアップ、空振り率が高いスライダー、フォークと豊富で三振を多く奪える。懸念点は高校三年間で投球過多が指摘され、また制球は平凡でカウントが深くなることが多く無駄な球数を費やすことが多い点。球種の豊富さから先発、高校時代はピンチでの登板もあり心理面も鍛えられたことからリリーフとプロ入り後は両方の可能性が考えられる。酷使は避け、まずは二軍でじっくり将来の方向性を見極めたいところ。

 

④姚冠瑋(ヤオ・グアンウェイ) 中国文化大学 170cm 78kg 23歳 右右 C

〇パワー △実戦不足 高めへの対応

主要国際大会経歴(高校以降) 13年:U18ワールドカップ 14年:U18アジア選手権 18年:世界大学野球選手権、U23ワールドカップ

昨年のU23ワールドカップでは4番も務めた強打の捕手。高校卒業後、社会人の新北市で1年間プレーした後に中国文化大学に入学。打撃はスイングがシンプルながらパワーがあり、高い選球眼も兼備している。低めのボールに容易に手を出さず、内外角のボールを広角にライナーで打ち返せる。一方でベルトより高めのボールによく手を出し、フルスイングをするため空振りが多いのは要改善。守備に関してはキャプテンシーがあり、送球は正確でポップタイムは平均レベル。良く言えば安定感があり、悪く言えば傑出したものがないとも言える。大学前半は張閔勛(ラミゴ)、吳明鴻(中信兄弟)が先輩にいたため出場機会が限られ、大3時には腕を手術したためほぼ一年試合に出場できず、大学での実戦経験を積めなかったのは懸念点。守備より打撃に強みを持つ捕手であり、チームには昨年全体ドラ1で戴培峰を獲得したもののまだ二軍で目立った活躍ができていないため、競争を煽る意味もありそうだ。

 

⑤林奕豪(リン・イーハオ) 穀保家商 180cm 68kg 18歳 右左 OF

〇パワー 肩 △コンタクト

主要国際大会経歴(高校以降) なし

憧れは王柏融(ラミゴ)、左のパワーヒッター。高校2年途中までは金属バットの部でプレー。朱育賢(ラミゴ)のような肩乗せ打法から繰り出すスイングには速さと爆発力があり、アッパースイングで豪快に引っ張り強い打球を生み出す。反面空振り率も高く、逆方向への打球のパワーとスピードは不足している。打球判断能力は平均レベルも走力があり、CFを中心に外野3ポジションを守れるが、プロではコーナーOFに回る可能性が高い。140kmほどを投手としては投げられる肩の強さもあるが、制球力がないことから投手の登板は少なかった。現時点では完成度は高くなく、経験も不足しているが、長打力は傑出しておりパワーヒッターとして花開く可能性を秘めている。

 

⑥戴云真(ダイ・ユンジェン) 中国文化大学 183cm 80kg 22歳 右右 OF

〇パワー 俊足 △変化球への対応 安定感

主要国際大会経歴(高校以降) 18年:U23ワールドカップ

長打と走力が魅力の大卒外野手。高校ではユーティリティーとして投手、Cとしてもプレー。大学ではOFに専念、昨年のU23ワールドカップで初の国際大会代表に選出された。スイングの軌道は不安定だが、スイングスピードは速く爆発力があり、ストレートに強い。一方で変化球に対しては脆さを見せるため成績には起伏がある。高い運動能力を持ち、強肩とトップクラスの俊足で大学後半はCFを守ることが多かった。惜しむらくは体の柔軟性とバランスに欠けるため怪我のリスクが高い点。大卒の選手としては身についていない技術も少なからずあるが、パワーとスピードという長所ははっきりしており、そこに魅力を見出せれば数年をかけて育てる価値はあるだろう。

 

⑦葉國情(イェ・グォチン) 花蓮体中 180cm 78kg 18歳 右右 P

〇アップサイド △球種不足

主要国際大会経歴(高校以降) なし

先発としてのアップサイドに期待したい高卒右腕。高校入学後はリリーフメインも、昨年劉義傳(元三商、兄弟)が監督就任後に先発に転向。制球が課題だったが、監督やコーチの指導により改善されフォームも安定した。ストレートの球速はリリーフで145kmをマークするなど高校でアップさせたが、ここ最近は制球重視になったため平均は140km前後に落ち着いている。変化球は120km前後のスライダーとカーブがあるが、先発としては球種不足で、カーブもフォームが違うため見破られやすい。アップサイドは大きいと見られ、高校の先輩である陳文杰、王奕凱(共に中信兄弟)のようにプロでどこまで伸びるか期待したい。

 

⑧楊程皓(ヤン・チェンハオ) 中国文化大学 186cm 93kg 22歳 右右 P

〇ストレート 体格  △制球

主要国際大会経歴(高校以降) なし

大学の先輩、黃子鵬(ラミゴ)に続きたいサイドスロー。ドラフトトライアウトから参加し、打者6人に対し4つの三振を奪いアピールした。高校時代に怪我がきっかけでサイドスローに転向。打者の目を惑わすため時折スリークウォーターでも投げる。肩関節が柔らかく、力み無く140km以上のストレート(最速148km)を投げられる。ストレートは沈む軌道のためゴロアウトを多く生み出す。変化球はカーブ、スライダー、バルカンチェンジ。リリースポイントが安定せず、制球は不安定。大学では登板機会が少なく酷使されておらず、体格にも恵まれストレートにも威力があるため、細かな技術を身に付ければリリーフとしてプロでも生き残れるであろう。

 

⑨辛元旭(シン・ユエンシュ) 台北市立大学 178cm 76kg 20歳 右右 3B/1B

〇スイングスピード △ポジション 長打力の向上

主要国際大会経歴(高校以降) なし

打力が魅力の3B。高校では1Bがメインで、強豪・平鎮高中では出番が限られたが、大学では3B/1Bを守るようになり、安定感ある打撃を見せる中軸打者(2年からは4番メイン)として活躍。スイングスピードが傑出しており、バットコントロールも良好。外角のボールを流し打つ技術に長けており、ライナー性の打球が多く二塁打が多い。ただし外角の誘い球にも手を出す癖があるのが欠点。大学進学後は打球の飛距離こそ伸びるも、本塁打を放つ能力に進歩が見られなかった。運動能力は平均以下で守備は3B/1Bに限られる。3B守備は安定しているため、打撃でアピールできれば一軍に生き残れるチャンスはある。

 

⑩李建勳(リ・ジェンシュン) 高苑科技大学 192cm 95kg 22歳 右右 P

〇スタミナ

主要国際大会経歴(高校以降) なし

今ドラフト参加者最長身。ドラフトトライアウトを通じての指名で、トライアウトでは145kmをマーク。映像は少ないが、2年前の大学野球リーグで先発時は130km前半がほとんどだったため、球速が向上した可能性がある。持ち球はフォークとカーブでスタミナが豊富との評価。

 

参考

Taiwan Baseball Notes

https://www.youtube.com/channel/UCJ8cnUlVCybEsYRoRNwXNbA

Twinkle一瞬之光

https://www.sportsv.net/authors/salada

 

2018CPBLドラフト指名選手リスト 中信兄弟+ラミゴ

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*2

 

 

中信兄弟(指名8名)

①李振昌(リ・ジェンチャン) ドジャース3A 180cm 86kg 32歳 右右 投手

契約金なし 月給62万元(今季~21年末) 出来高100万元(毎年) 背番号34

今ドラフト一番の大物。離島澎湖の出身で正式に野球を始めたのは屏東に移ってきた高校生からと遅めのスタートも、その後頭角を現し06年ドーハアジア大会、08年北京五輪、09年WBC等で代表選出、08年にインディアンスと契約。長いマイナーでのプレーを経て13年にメジャー昇格、14年には37試合に登板し1勝1敗 28IP ERA4.50。しかし15年はメジャーで2試合のみの登板に終わり、16年に埼玉西武と契約。台湾人選手で初めてメジャーリーグNPBでプレーした選手となったが18試合 16.2IP ERA6.48と結果を残せず。昨年はロッキーズ3A、今年はドジャース3Aでプレーし22試合2勝2敗 25.1IP ERA3.91だった。投球は約7割を占める140km後半~150km前半のシュートに近いツーシームとスライダーのみでほぼ組み立て奪三振を多く奪うが、一方で球種の少なさ故かメジャーやNPBではカウントを整えるのに苦労し結果を残せなかった。中信兄弟では即戦力として抑えで起用される見込み。実はCPBLでの登板は既にあり、08年にレンタル選手として兄弟(現中信兄弟)に在籍、二軍戦で1試合に登板している。


②高宇杰(ガオ・ユージェ) 國立體大 184cm 92kg 21歳 右右 捕手

契約金380万元 月給8万元 出来高100万元 背番号65

即戦力の期待もかかる捕手。高校時代は4番でキャプテンの重責を担い、大学時代もキャプテンを務め、U-23ワールドカップ、ハーレムベースボールウィーク、アジア選手権など国際大会で代表常連に、今年の春季リーグでは打率.538と猛打を振るった。捕手として大柄な体格から放たれるパワーある打撃が持ち味でコンタクト能力と選球眼にも長け、長打はライナー性の打球が多い。守備も既にCPBLでもトップクラスの技術を持ち、ブロッキングを特に得意とする。肩は傑出して強くはないものの動作のシンプルさで高い盗塁阻止能力を誇り、ホーム周りの打球処理も素早い。課題はミートポイントを逃しての弱いフライが多いことと、健康面もプロでは気を付けたいポイント。昨年のアジア選手権では野手で唯一大学生から選出された。

 

江坤宇(ジャン・クンユ) 平鎮高中 178cm 76kg 18歳 右右 内野手

契約金340万元 月給8万元 出来高60万元 背番号90

安定感ある守備が持ち味の高卒SS。高2までは3B、高3からSSメインに守るようになり打順は1~3番の上位打線を任された。16年の黑豹旗では大会MVP、17年の黑豹旗ではSSとしてベストナインに選出。最大の武器は安定感のあるSS守備で、守備の動きのスムーズさと柔軟さ、キャッチングのセンスに優れ、足捌きとバランス感覚も申し分ない。肩も平均以上、送球も正確でありチームのキャプテンとして、また内野の守備の要としてその存在感は大きかった。走力は平均以上で打撃はボールを確実に捉えることを意識したライナー性の安打が多い。ただプロのボールにどこまで対応できるかは未知数で、そこさえクリアできればゴールデングラブ常連になり得る存在である。


④吳俊偉(ウ・ジュンウェイ) 新北市 175cm 70kg 20歳 右右 投手

契約金260万元 月給7万元 出来高50万元 背番号94

新北市の若き守護神。昨年までは「池俊偉」という名前で、屏東高中を卒業後家計の経済状況を考慮し大学進学はせず社会人の新北市でプレーし抑えを任された。今ドラフトのためのトライアウトで148kmをマークしスナイダー監督の目に留まり、トライアウト合格者では最上位の指名に。140km前半のストレートにカーブとスライダーを組み合わせ、昨年のポップコーンリーグでは高い奪三振能力を示した。若さゆえかピンチになると変化球が増えること、体格の華奢さは課題もスナイダー監督の期待度から推測するに今年の後期からリリーフとしてその姿を一軍のマウンドで見られるかもしれない。


⑤王奕凱(ワン・イーカイ) 花蓮體中 183cm 80kg 18歳 左左 投手

契約金200万元 月給5万元 背番号84

特異性が武器の大型高卒左腕。岡島秀樹に似た独特のフォームからストレートは最速143km、平均135~138kmと速くはないがノビがあり、右打者の内角高めのボールは誘い球として効果を発揮。これにスライダー、カーブを組み合わせ多くの空振りを生み出す。メカニクスとリリースポイントは安定しておらず制球が不安定、フォームの特異性ゆえ肩の故障も経験したが立派な体格故アップサイドは大きく、上手く育てば先発左腕としてプロでも活躍できるだろう。


⑥王政順(ワン・ジェンシュン) 國立體大 175cm 78kg 22歳 右左 内野手

契約金160万元 月給7万元 出来高70万元 背番号5

攻守に冴えたプレーを見せる内野手。高校時代から14年の18Uアジア選手権で最優秀内野手に選出、同年の黑豹旗では3Bのスタープレーヤー賞を受賞するなど活躍。打撃はバットコントロールに優れ、しっかりと振り切り重心を崩されても長打を生み出すことが出来る。走力は平均レベルだが積極性があり外野手の間に落ちた打球でも二塁、三塁を陥れ、今年の春季リーグでは三塁打5本。守備は主に3B/2Bで打球反応と動きが良く強烈なゴロもきちんと処理できる。中信兄弟は複数ポジションを守る内野手の競争が熾烈だが、追い込まれた際の打撃が受け身になりがちなこと、守備の集中力と安定感をより高めれば一軍の舞台により近づくだろう。ポジションも同じ李宗賢(富邦)は大学の先輩にあたる。


⑦林丞軒(リン・チェンシュエン) 台中運動家 183cm 82kg 25歳 右右 投手

契約金100万元 月給7万元 背番号54

2年目のドラフトで指名された右腕。高校は成功商水、大学は高苑科技大學を卒業後15~16年まで國訓、17年からは台中運動家(既に解散)でプレー。昨年も同じくドラフトのためのトライアウトに合格したが指名されず。トライアウトで145kmをマークしたように速球派右腕と見られ、制球に課題か。スナイダー監督はドラフトで制球力に課題があっても球速の出る右腕を指名する傾向にあるため、それが彼の指名にも繋がったと言えよう。


⑧吳俊杰(ウ・ジュンジェ) 開南大學 187cm 76kg 22歳 右右 投手

契約に至らず

長身の本格派右腕。高校時代に国際大会の経験は無かったが大学で球速をアップさせ成長、昨年は台北ユニバーシアードアジア選手権で代表入りを果たした。躍動感あるフォームから長身を活かした角度のあるボールを両サイドに投げ分けるため打者はミートしづらく、ストレートは最速148km、変化球はカーブ、スライダー、フォーク。課題は制球が安定せず、先発としては球数管理が今一つで5回で100球近く投げることも珍しくない。変化球のクオリティも考慮すればリリーフに適性があるように見受けられる。

 

ラミゴ(指名7名)

①翁瑋均(ウェン・ウェイジュン) 南華大學 187cm 84kg 20歳 右左 投手

契約金480万元 月給8万元(二軍6万元) 出来高150万元 背番号96

今ドラフトのダークホースとして名乗りを挙げた大学1年生。高校は13年に結成されたばかりの普門中學出身で16年の玉山盃では投手のベストナインを獲得、同年のU18アジア選手権では予選リーグの日本戦に先発した。大学進学後も今年の春季リーグでは25回無失点と活躍、大学野球リーグで今年度一部昇格を果たしたばかりのチームの将来を背負って立つ存在になるかと期待されていた中で、大物投手が少ないこと、大学での試合数の少なさを考慮してのドラフト参加となった。角度あるストレートは最速146kmで平均140km前後、球種はスライダー、カットボール、フォーク、シンカー、カーブ、チェンジアップなど多彩で、マウンドで闘志溢れる姿を見せるのも印象的。高校時代に肘の炎症や痛みに悩まされており健康面がネック。

 

②陳晨威(チェン・チェンウェイ) 新北市 180cm 72kg 21歳 右左 内野手

契約金350万元 月給不明 出来高50万元 背番号98

俊足+内外野守れるオールラウンダー。陳家駒(中信兄弟)のいとこにあたる。美和高中から大同技術學院に進学し昨年の梅花旗ではトップの打率.583をマーク、今年から社会人の新北市に入団しプロへの準備を進めてきた。突出したスピードと運動能力が持ち味で高校時代は主に2B兼OF、大学ではSSと複数ポジションを経験、広い守備範囲と優れた打球判断を誇る。打撃は空振りが少なく粘り強いアプローチを見せ球数を投げさせて出塁するケースが多く、走力を活かした内野安打も少なくない。ただ走力を活かし過ぎようとしすぎるあまり叩き付ける打球や走り打ちをしてしまう癖は改善したい。守備では送球とキャッチングの安定感を高める余地がある。ラミゴでは余德龍、林立に続く便利屋枠になれる存在だ。


③邱丹(チゥ・ダン) 普門高中 174cm 89kg 18歳 左左 外野手

契約金300万元 月給5万元 出来高80万元 背番号48

常に全力でグラウンドに立つ小柄な高卒OF。今年の高校野球リーグでは2位となる打率.400をマークしCFとしてベストナインに選出。玉山盃の直前に右足中足骨を故障し約2ヶ月をリハビリに費やしたが上位指名を勝ち取った。打撃は三振を恐れないフルスイングで逆方向への長打も多い。高卒OFナンバーワンとの呼び声高い守備は打球判断が最大の長所でスピードは平凡ながら広い守備範囲を誇り強肩。打撃は失投を逃すことがままあること、守備では送球が高めに浮くことがあり走者の進塁を許すケースがあるのが課題。また全力プレーが魅力ではあるが小柄な体格と故障歴、長いシーズンも考慮すれば力の抜きどころも覚えていきたいところ。タイプとしては本人が一番好きな選手である張志豪(中信兄弟)に近い。


④賴智垣(ライ・ジーユエン) 國立體大 178cm 86kg 21歳 右右 投手

契約金250万元 月給7.5万元 出来高20万元 背番号89

成熟した投球を見せる右腕。高校時代からU18ワールドカップ代表に選出され、140kmをマークする有望株も肩の故障で3年間は大きな成長が見られなかったが、大学進学後は高強度のトレーニングで球速を向上させ3年生から呂彥青(阪神)に替わって主力先発として起用され今年の春季リーグでは5試合 26.2IP 5勝 ERA0.68の好成績。最速148km、先発としては平均140km程度のストレート、シンカーは共に右打者の内角をえぐる軌道を辿り他にはスライダー、フォークを投じ空振りを多く奪う。プロでは制球力を向上させ効率よく打者を料理する術を覚え長いイニングを投げられるようにしたい。父は元俊國-興農-兄弟でプレーした賴有亮で、CPBL史上二人目の親子選手となった。


⑤陳克羿(チェン・ケーイ) 南英商工 185cm 74kg 19歳 右左 投手

契約金180万元 月給5万元 出来高20万元 背番号40

投げっぷりが良い細身の右腕。高1時は出場機会は少なかったが、高2から出番を増やし球速も大幅にアップ。投球はまだまだ未成熟ながら、速い腕の振りからストレートは最速144km、変化球は大きく落ちるカーブ、スライダー、フォークを投じ、角度があるため打者はタイミングを合わせにくい。細身過ぎる体型を鍛え、フォークを勝負球として使えるようになれば面白い存在。

 

⑥江國謙(ジャン・グォチエン) 平鎮高中 180cm 88kg 19歳 右右 投手

契約金155万元 月給5万元 出来高40万元 背番号18

平鎮の便利屋右腕。中学時代から140キロをマークし高校時代は先発、リリーフ共に起用されメンタルの強さを示し今年の高校野球リーグでは6試合3先発 3勝 26.2IP 19K ERA1.01。ストレートは最速145、制球力が安定しており内外角共にストライクを取ることが出来る。主な変化球はカーブとスライダーで、対左打者にはチェンジアップ、比率は少ないがフォークも投げるなど球種は豊富。体格はやや太めでありアップサイドは小さいと見られ、現状はリリーフ向きか。


⑦范柏絜(ファン・ボージェ) 高苑工商 183cm 73kg 18歳 右右 投手

契約金85万元 月給5万元 出来高40万元 背番号92

中学時代から期待されていた右腕。野球を始めたのは中学生からと遅く、中2でOFから投手に転向とキャリアは浅いが頭角を現しU15アジア選手権代表にも選出。スムーズな投球フォームからストレートは最速141kmで内角を積極的に突くことができ、テンポも良い。変化球は決め球のフォークとスライダー、チェンジアップを持ち合わせどれもレベルが高い。中学時代から将来を期待されていたがこのような下位指名となったのは中学から高校にかけての成長があまり見られなかったからと考えられる。またスタミナ不足で50球を超えたあたりから球威が落ち、制球にも影響するのが課題。

 

 

参考:

https://www.sportsv.net/articles/53268

https://www.sportsv.net/articles/53223

2018CPBLドラフト指名選手リスト 富邦+統一

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*2

 

富邦(指名10名)

①戴培峰(ダイ・ペイフォン) 平鎮高中 182cm 75kg 18歳 右左 捕手

契約金560万元 月給9万元(二軍5万元) 出来高100万元 背番号95

全体ドラ1史上最年少のディフェンシブな捕手。中学時代から名を馳せ、強豪平鎮高中に入学後も即レギュラーとして活躍。キャッチング、ブロッキング共に基本に忠実で盗塁阻止能力も高い。肩がとりわけ強いわけではないが、キャッチングの速さと正確さに長けポップタイムは既にCPBLの平均以上。強豪高のレギュラー捕手を三年間務めたこともありリーダーシップも兼ね備える。一方の打撃は守備ほど突出はしていないものの、スイングはシンプルながらパワーを秘め失投を逃さず、ゾーン理解にも長けている。課題はスイングのスピードと安定性で、プロのストレートに対応できるかは疑問。統一ドラ1の古林睿煬とは小学校から10年間バッテリーを組んでいた。

 

②王正棠(ワン・ジェンタン) 台中台壽 177cm 81kg 23歳 右左 内野手

契約金440万元 月給9万元 出来高60万元 背番号53

上位打線での活躍に期待したい内野手。高校時代はSS兼最速148kmをマークするリリーフとして活躍し爆発力ある打撃と選球眼で高校トップクラスの打者に成長。大学時代も数々の国際大会に選出され、卒業後ドラフト参加を表明後は社会人の台中台壽でインターン生として入団、元CPBLの選手が多く所属するチームで経験を積んだ。打撃は選球眼の良さが持ち味でスイングの速さ、軌道の調整能力も良好。内角の高めが得意なコースで、走力もCPBLの平均以上あり内野安打も少なくない。ポジションは2B/3B/SSを平均レベルにこなし、OFは打球判断は平凡ながらスピードでそれを補っている。昨年の台北ユニバーシアードでは大会第2位の打率.482をマークも、初戦のフランス戦で不慣れなCFを守ったことが災いしサヨナラ失策となるフライ落球を犯し世間の批判を浴びた。外角へのボールに対し重心が大きく動いてしまうこと、ゴロの処理時のステップがスムーズでない点は要改善。

 

③陳品學(チェン・ピンシュエ) インディアンスA- 188cm 95kg 24歳 右右 投手

契約金なし 月給12万元(今季~19年末)15万元(20年) 出来高15万元 背番号59

吳念庭(埼玉西武)のいとこにあたる右腕。穀保家商在籍時の高校時代から国内外のスカウトの注目を受け高2時には国内の大会で賞を次々に獲得。しかし高3からは酷使による故障に悩まされ国際大会代表に選出されず。高校卒業直前にインディアンスと契約もわずか6万ドルの契約金と評価は下がっていた。マイナーでは4年間でRkとA-を行き来しフルシーズンリーグに昇格できず通算K/9 9.2の一方BB/9は5.3と制球難に苦しんだ。今年3月にインディアンスをリリースされ、その後5月から富邦に合流し練習に参加していた。140km台中盤のストレートに落差の大きいカーブとスライダーが持ち球だが、やはり制球難がネックで加えてシーズン最多で32.1IPしか投げられていない健康面も不安要素。メジャー、マイナー組が名を連ねる富邦のリリーフ陣に厚みを加えられる存在になれるかは未知数。15年のアジアカップ、16年のU23ワールドカップ代表。

 

④胡冠(フー・グァンユ) 台東體中 175cm 72kg 18歳 右右 内野手

契約金290万元 月給7万元 出来高50万元 背番号43

余德龍(ラミゴ)と比較される守備に注目の高卒SS。ブヌン族で現在までのキャリアを台東で過ごし、今年の玉山盃で打率.417と活躍したことでオリオールズからのオファーを受けた。3B/2B/OFもこなすが魅力はやはり優れた運動能力を生かしたSSで広い守備範囲と打球反応を見せ、体が柔軟でバランス感覚にも優れていることからダイビングキャッチ後の送球も安定、投手として140kmをマークする強肩でバックホームの精度も高い。打撃は良いスイングスピード、そして長打力を秘めているが外角のボールに対して重心がぶれることが無くなればより力強いミートで打球を飛ばせるようになるだろう。守備ではセンスに頼り過ぎたプレーが目立ち簡単な打球をエラーしがちなことから、基本動作をもう一度見直したい。SSが固定できないチーム状況での指名、二軍での育成を経て久々のレギュラー誕生となるか注目。

 

⑤王尉永(ワン・ウェイヨン) 中國文化大學 181cm 72kg 23歳 右右 投手

契約金230万元 月給7.5万元 出来高50万元 背番号

文化大のKマシーン。大学時代の国際大会経験は16年のウインターリーグくらいしか無いものの、国内大会では15~16年の梅花旗でメンバーに入りチームの二連覇に貢献。ストレートはやや沈む軌道を辿り最速147km、先発時には140~145kmを安定してマーク。主な変化球はスライダー、カーブ、フォークで空振りの山を築く。上半身に頼り気味のフォームゆえか制球は今一つで、大学時代は怪我が多く17年はほとんどをリハビリに費やした。プロでも先発として起用されると思われるが、起用法には気を付けたい。

 

⑥楊彬(ヤン・ビン) 高雄大學 180cm 90kg 22歳 右右 投手

契約金140万元 月給7.5万元 出来高10万元 背番号74

雄大學初のプロ野球選手。それまで目立った選手ではなかったが、CPBLのドラフト参加のためのトライアウトを受験し4三振を奪ったことがアピールに繋がった。メカニクスはスムーズでストレートは140km前後で打者の手元で動き、制球力も有している。変化球はカーブとチェンジアップ。まだ知名度がある高卒、大卒投手が残っていた中での指名、長きにわたり注目してきたというスカウトの目利きが問われる選手となるだろう。

 

⑦王詩聰(ワン・シツォン) 國立體大 187cm 80kg 23歳 右左 外野手

契約金110万元 月給7.5万元 出来高20万元 背番号

大学で開花した左の大砲。元々は投手も高校時代に代表経験はなく、大1時に野手転向。しかし経験不足で結果が出ず大3時に参加したアラスカ・サマーリーグでも打率が2割に満たずK%が25%超えという有様であったが、帰国後才能が開花し16年のウインターリーグでは15試合打率.333 2HR 6打点 OPS.915、昨年のポップコーンリーグでも2位タイとなる3HR、今年の春季リーグではトップの18打点。持ち味は許基宏(中信兄弟)を彷彿とさせる豪快なフルスイングから放つ長打。大柄な体格ながら一塁までの到達タイムは3.8秒と平均以上の走力を誇る。守備は1Bも守ることが可能だが、フライの判断能力に難があるためOFはLFのみ可能。ドラフト参加前にはオリオールズからオファーを受けていたが、金額が少なかったことと通訳が含まれていなかったことを理由にCPBLドラフト参加を決めた。

 

⑧歐書誠(オウ・シュチェン) 台北市 180cm 65kg 25歳 右右 投手

契約金85万元 月給7.5万元 出来高35万元 背番号53

努力家の大学院卒右腕。平鎮高中(金属バットの部)を経て大学入学後は主に先発を務めストレートは140km前後、変化球はスライダーとチェンジアップで16年の春季リーグでは防御率2位の0.76をマーク。大学卒業後は桃園航空城、台北市と2つの社会人チームでプレーし今年の春季リーグでは抑えに。富邦ではリリーフとしての活躍が期待される。2016年には高國慶(統一)の個人トレーナーを務め、大学院在学中に今ドラフトで指名を受け長榮大學出身者としては莊駿凱(統一)に次ぐ2人目のプロ野球選手となった。

 

⑨蕭憶銘(シャオ・イミン) 高苑工商 175cm 80kg 19歳 右右 捕手

契約金50万元 月給7万元 出来高30万元 背番号61

アップサイドに期待の高卒捕手。一つ上の先輩に廖健富(ラミゴ)がいたため、高3でようやくレギュラー捕手となった。キャッチングとブロッキングは安定しており、ポップタイムもCPBLの平均以上。速いスイングスピードから放たれる打撃はほとんどが引っ張った打球で爆発力があり、強豪の平鎮高中、穀保家商相手にもホームランを記録。やや遠回り気味のスイング軌道のためプロでの適応には時間がかかる可能性があり、また送球の安定性向上も課題。同じ高卒捕手としてドラ1戴培峰の存在は大きく映るが、焦らずまずは二軍でレベルアップを図りたい。林子偉(レッドソックス)の甥にあたる。

 

⑩曾慈恩(ツェン・ツーエン) 北科附工 175cm 80kg 19歳 右左 捕手

月給7万元 出来高30万元 背番号

起用法に注目したい高卒捕手。OFとしても出場しており、高3からは中軸として活躍し今年の高校野球リーグでは打率2位。体格とパワーは立派ながらバットコントロールはまだ未熟な点があり時間をかけた育成が必要な選手で、また9巡目に続いての高卒捕手指名という点からも球団はOFとして育成する可能性もあるのではないだろうか。

 

統一(指名7名)

古林睿煬グーリン・ルイヤン) 平鎮高中 184cm 81kg 18歳 右右 投手

契約金550万元 月給5万元 出来高150万元 背番号19

未来のエースになるポテンシャルを秘めた今年の高卒ナンバーワン投手。高2時から2018年ドラフトの目玉と評価は高かったが、本人は以前高校卒業後の海外進出または国立体育大学への進学を考えていた。昨年の高校野球リーグでは27IP 4勝 31K ERA0.33の好投、黑豹旗ではベストナインに選ばれるなどそれぞれ優勝に貢献。ゆったりとした投球フォームから先発では140~145kmのストレートを投げ込み今年最高147kmをマーク。変化球も120km前後のカーブ、125km前後のフォーク、130km前後のスライダーとチェンジアップと多彩でそれぞれの制球も良くカウント球としても勝負球としても使えるのが強み。また精神面も強く走者を出した場面でも冷静で牽制も素早い。心配されるのは高3時に故障により数カ月の離脱を経験したことであり、健康面がプロ入りにあたってはネックになる可能性もある。

 

②張偉聖(ジャン・ウェイシェン) 興大附農 168cm 65kg 21歳 右左 内野手

契約金400万元 月給6.5万元 出来高50万元 背番号52

長男に張進德(パイレーツ)、次男に張進龍(富邦)、三男に張育成(インディアンス)がいる張兄弟一家の五男。高1時に台中高農を退学しその後興大附農に入学したためその間約2年近く野球から離れていた。体は小柄で長打力は乏しいながらも身体能力に優れ、突出した走力と優れたバットコントロールが特長。様々なコースにも芯で捉えることができる打撃を身に着けており、強い打球を生み出すことが可能となっている。CF守備は範囲が広く、16年後半から張育成のアドバイスを受けSSにも取り組んでいたが、統一ではSSに陳傑憲がいることからCFとして育成されるであろう。課題は外角のコースを突いたボールにパワーのある打球を放つことができないこと、また利き手の左手を故障し右投げとなったため肩は強くない。

 

③劉軒荅(リゥ・シュエンダ) 國立體大 180cm 88kg 22歳 右右 投手

契約金330万元 月給7万元 出来高50万元 背番号23

3年ぶりのドラフトで順位を大きく上げた右腕。高校時代に最速146kmをマーク、15年のドラフトでは高卒投手ナンバーワンと評する声もあったが14年に肘の炎症を起こし登板数が減少した影響で評価を下げ、中信兄弟に11巡目で指名。その後契約金の額を理由にプロ入りせず大学進学、大学では体を作り直し先発では138~142kmのストレート、カーブをカウント球として用い、スライダーは右打者への勝負球、チェンジアップは左打者に効果的でここ最近はフォークも投げ始めている。四球が少なく、先発として完成度は高いがアップサイドは小さいと見られ、ストレートが以前の水準まで戻らないとすれば制球力、投球術をより高める必要がある。チームでは後期の即戦力として期待を受けている。

 

④李丞齡(リ・チェンリン) 興大附農 175cm 70kg 18歳 右右 捕手

契約金280万元 月給5万元 出来高80万元 背番号9

強肩+パワーが売りの高卒捕手。元々はOF兼投手だったが高2からCも守り始め、16年の黑豹旗ではOF、17年の黑豹旗ではCとしてベストナインに選出された。打撃ではアッパー気味のフルスイングで高校通算5HR。Cとして送球は最速144kmをマークする強肩を有するためCPBLでもトップレベルの速さを誇り、軽々と走者を刺すケースも多い。ただ攻守とも粗さは否めず、アッパー過ぎるスイング故ミートポイントが不安定で弱々しいゴロやフライが多く、無駄なスイングの動きはプロのストレートに対応する上では課題となるだろう。守備では経験が浅いこともあり、キャッチング、ブロッキング、リード等の細かなテクニックは発展途上。体格は小柄だがアップサイドは大きいため、本人の努力具合が成長を決めることとなるだろう。

 

⑤方建德(ファン・ジェンデ) 嘉義大學 190cm 110kg 23歳 右右 投手

契約金200万元 月給6万元 出来高50万元 背番号69

先発としての起用が見込まれる大型右腕。今年の大学野球リーグでは8強リーグ戦で好投するなど安定した活躍を見せ、ドラフトにはトライアウトを経ての参加。左足を高く上げるフォームから平均142~143kmの手元で沈むストレートは王建民に近い重い球質だが本人の憧れの選手はマリアノ・リベラとのこと。

 

⑥林靖凱(リン・ジンカイ) 平鎮高中 174cm 66kg 18歳 右右 内野手

契約金160万元 月給5万元 出来高50万元 背番号64

守備に長けた高卒2B。中学まではSSであったが高校では中信兄弟から3位指名の江坤宇に押し出される形で2Bに移り、最速146kmの投手としても活躍。16、17年の黑豹旗では2年連続で2Bでベストナインに選出された。打撃ではバットコントロールに優れ、確実なミート能力で強いライナー性の打球を多く放ち、高3からは長打も増加。2B守備は強肩、足捌きが機敏で送球、捕球共に安定。ただ高めのボールに手を出す癖が欠点で小柄な体格故アップサイドも小さいと見られる。今年のU18アジア選手権代表。

 

⑦姚雨翔(ヤオ・ユーシャン) 興大附農 185cm 90kg 18歳 右左 内野手

契約金100万元 月給5万元 出来高50万元 背番号67

未来の左の長距離砲候補。15年のLLBジュニアリーグでは台湾代表入り、今年の玉山盃では打率.517 9打点の二冠と活躍もU18アジア選手権代表には選出されず。プロフィール以上の体重を感じさせる立派な体躯から放たれる長打力を有し、流し打ちでも重心を残し対応できる上手さを見せる。ポジションが1Bメインであること、走力が平均以下であることを考慮すればまずは二軍でじっくり体作りをし、練習では守っているという3Bも一定レベルに引き上げたいところ。

 

 

参考:

https://www.sportsv.net/articles/53268

https://www.sportsv.net/articles/53223

https://www.sportsv.net/articles/53144

https://www.sportsv.net/articles/53043

https://www.sportsv.net/articles/53102

https://www.sportsv.net/articles/53201

https://www.sportsv.net/articles/53205

アジアプロ野球チャンピオンシップ台湾代表 選手名鑑

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台湾代表日程(時間はすべて日本時間)

(練習試合)

11/10 19:35 千葉ロッテ(桃園)

11/11 18:05 千葉ロッテ(桃園)

11/12 18:05 千葉ロッテ(桃園)

 

11/17 19:00 日本(東京ドーム)

11/18 18:30 韓国(東京ドーム)

11/19 18:00 予選1位-予選2位

 

・投手

林樺慶(リン・ホァチン)Hun-Ching Lin

1994.10.03(23歳 4年目) 186cm 85kg 右投右打 14年D2位 

高苑工商-開南大学-ラミゴ(14~)

17年成績:20試合 18先発 6勝4敗 ERA5.25 106.1IP 被HR13 与四球30 奪三振73 WHIP1.58

 "日本に立ちはだかる先発右腕"

 4年目で悲願の初勝利を挙げた右腕。中学時代からストレートは最速140kmに達し台湾の強豪校、日本の高校からのスカウトがあったものの地元高雄の高苑工商に進学。高校では大幅な球速向上はならずもボールのノビと角度が優れ、多彩な変化球を持ち合わせたこともありエースに。13年の高校生ドラフトで義大(現富邦)から2巡目で指名されるもまさかの契約金、月給なしという過酷な条件に入団を拒否、結果海外でのプレーという夢を絶たれたばかりか国内の大学への進学も困難となった。そのような中にあって開南大学が単位取得を条件に入団を認めたことで窮地を脱し、入学後は郭李建夫コーチの指導もあって球速が145kmまで向上。1年間在籍した後14年のドラフトでラミゴから指名を受け入団となった。しかし入団後3年間勝ち星なし、一軍での先発も計2試合となかなか芽が出なかったが昨年はチームの5番手先発として一年間ローテを守り6勝と飛躍の一年に。141km前後のストレート、136km前後のツーシーム、スライダー、カーブ、フォーク、シンカーと多彩な球種を組み合わせ6回前後をゲームメークする。今大会では日本戦の先発が予想されている。

 

朱俊祥(ジュ・ジュンシャン)Chun-Hsiang Chu

1995.04.15(22歳 5年目) 175cm 70kg 右投左打 13年高校生D2位 

台中工農-ラミゴ(13~)

17年成績:40試合 0先発 4勝2敗 ERA6.32 37IP 被HR6 与四球18 奪三振46 WHIP1.41

"怪我から完全復活の快速球リリーバー"

 ストレートが魅力の右腕。1年目から一軍のマウンドに上がり140km後半のストレートを連発、当時のCPBL最年少で勝利投手を記録すると2年目の14年には26試合に登板しERA3.23と結果を残したが11月に友人のバイクに乗って出かけた際に事故に遭い右足腓骨と頸骨を骨折、この怪我で約1年半を棒に振った。昨年は一軍4試合の登板に終わるも今季は自己最多となる40試合に登板、出来の起伏が激しかったものの37IP/46Kと変わらず球威があることをアピールできた一年となった。最速154kmのノビのあるストレートにスライダー、フォークを組み合わせる奪三振マシーン。制球にはまだ課題を抱える荒削りなリリーバーだが、日本代表の稲葉監督が10月に桃園で視察を行った際に彼の名前を挙げ「球質が素晴らしく、アジアプロ野球CSでの勝利の方程式の一人となるかもしれない」と評価された。


王躍霖(ワン・ヤオリン)Yao-Lin Wang

1991.02.05(26歳 3年目) 184cm 94kg 右投右打 15年D6位 

三信家商-国立台湾体育運動大学-カブスマイナー(09~14)-国訓-ラミゴ(15~)

17年成績:64試合 0先発 3勝1S ERA3.43 57.2IP 被HR3 与四球25 奪三振56 WHIP1.16

"挫折を乗り越えタイトル獲得"

 かつての速球が蘇ってきた右腕。10年から14年まで5シーズンをカブスマイナーでプレー、その間に12年WBC予選、13年WBC東アジア競技大会侍ジャパン戦、14年仁川アジア大会など数多くの国際大会で場数を重ねるも最高A+までしか昇格できず、通算113試合 16勝23敗16S ERA3.98。その後15年3月に阪神の入団テストを受験も最高136kmしか出ず不合格、自信を失ったがその年のドラフトでラミゴからドラフト指名を受け入団。2年目からリリーフとして出番を増やし16年は41試合、そして今季は64試合に登板し19ホールドで最多ホールドのタイトルを獲得、セットアッパーとしてラミゴの勝ちパターンの一角を担った。重心を深く沈ませるフォームが特徴的で、マイナー時代に96マイルを記録したストレートが今季は最速150kmをマークするまでに復調、対右打者を被打率.179と抑えた。スライダー、カーブ、チェンジアップ、カットボールと球種も多彩だが制球難が課題。


邱浩鈞(チョウ・ハオジュン)Hao-Chun Chiu

1990.12.29(26歳 3年目) 180cm 70kg 右投右打 14年D5位 

平鎮高中-中国文化大学-新北市-国訓-統一(15~)

17年成績:61試合 0先発 1勝4敗 ERA3.48 54.1IP 被HR3 与四球23 奪三振59 WHIP1.53

"細身から繰り出すストレート+高速フォーク"

 プロ入り後初の国際大会代表となった右腕。高校時代からリリーフとして活躍し高2で145kmをマーク、大学でもリリーフとしての代表入りがほとんど。入団時には「郭泰源二世」と期待されルーキーイヤーからリリーフとして積極的に起用されたが2年間は思うような結果を残せず。しかし今季開幕からセットアッパーとして役割を固定されると才能が開花し開幕から11試合連続無失点、前期のERAは2.30。後期に疲れから打ちこまれるケースが増え数字を落としたがチームトップの61試合に登板、充実の一年となった。体格は細身ながら140km中盤~後半のストレート、130km後半の高速フォーク、カーブ、スライダーを主な持ち球とする速球派。

 

王鴻程(ワン・ホンチェン)Hung-Cheng Wang

1991.09.08(26歳 1年目) 192cm 92kg 右投右打 17年D6位 

福岡第一高-日本経済大学-BCリーグ・石川-崇越隼鷹-中信兄弟(17~)

17年成績:8試合 0先発 1勝 ERA1.12 8IP 被HR0 与四球2 奪三振7 WHIP1.38

"1年目から経験積んだ知日派"

 日本で計8年プレーした火の玉右腕。中学卒業後来日し福岡第一高、日本経済大学でプレー。惜しくも目標だったNPB入りを果たせなかったため15年はBCリーグ・石川に入団、38試合で1勝3敗3S ERA3.41の成績を残し最速153kmもマーク。昨年は兵役の関係で台湾に戻り、その後崇越入りし抑えとして活躍。今年中信兄弟に入団後は9月中旬から一軍昇格しシーズン最終盤、そしてポストシーズンでは抑えを任された。サイド気味の腕の振りから140km後半~150kmを超えるストレートが最大の武器で奪三振多く奪うが、落差の大きい130km後半をマークするフォーク、スライダー、チェンジアップといった変化球も含めて制球力が課題であり、今後も抑えとして活躍するためには解決したい課題である。

 

羅國華(ルォ・グォホァ)Kuo-Hua Lo

1992.10.28(25歳 1年目) 178cm 90kg 右投右打 17年D3位 

三信家商-開南大学-ツインズマイナー(11~16)-米独立・リンカーンソルトドッグス-四国アイランドリーグ・高知-富邦(17~)

17年成績:29試合 0先発 2勝1敗 ERA5.54 26IP 被HR2 与四球20 奪三振21 WHIP1.92

"安定感取り戻したい右腕"

 抑えとしてマウンドに上がりたい右腕。高校卒業後ツインズマイナーでプレー。12~14年までRkで平均以上のパフォーマンスもなかなか昇格のチャンスを掴めず。15年は登板こそ19試合のみもERA1.44と安定感を見せ、抑えも任された。RkからAに昇格した昨年もERAは2.60ながら、45IP/31BBと制球が悪化し8月に放出された。その後米独立でプレーし3試合に登板。今季は四国アイランドリーグ・高知で抑えを任されリーグトップの9S、19試合でERA0.86の好成績。また課題だった制球難も21IP/1BBと改善の兆しを見せ、今年のドラフトで富邦に入団。後期開幕直後に登録、守護神として期待は高かったがCPBLでは再び制球難が顔を出し安定感ある投球は見せられなかった。140キロ台後半を安定してマーク、最速154kmのフォーシームとゴロを生み出すツーシーム、落差の大きいカーブ、チェンジアップ、スライダーを組み合わせ積極的にストライクゾーンを攻める投球スタイル。


彭識穎(ポン・シーイン)Shih-Ying Peng

1992.07.02(25歳 2年目) 175cm 71kg 左投左打 15年D3位 

平鎮高中-輔仁大学-合作金庫-国訓-中信兄弟(16~)

17年成績:35試合 0先発 1敗1S ERA5.87 23IP 被HR1 与四球6 奪三振15 WHIP1.57

"今大会唯一のリリーフ左腕"

 左のワンポイントとして活用された投手。高校時代から制球力を武器に活躍し大学では先発とリリーフを兼任し14年のU21、15年の光州ユニバーシアードなどに代表として出場。ルーキーイヤーの昨年から左のリリーフとして起用されたがシーズンが進むに従ってボールが甘く入るようになり52試合に登板もERA8.57とプロの洗礼を浴びた。今季も前期は苦しむも後期に入り復調、プレーオフ台湾シリーズでは計4.1IPを無失点に抑えた。上背はないものの140km前後のストレートとスライダー、チェンジアップを低めに集め打者を料理する。

 

林政賢(リン・ジェンシェン)Cheng-Hsien Lin

1995.09.13(22歳 3年目) 188cm 90kg 左投左打 15年D6位 

平鎮高中-中国文化大学-義大(15~16)-富邦(17~)

17年成績:17試合 15先発 3勝3敗 ERA3.79 78.1IP 被HR7 与四球49 奪三振64 WHIP1.52

"富邦の柳賢振"

 原住民阿美族のタパロン集落出身の左腕。高校時代の13年U18ワールドカップではエースとしてカナダ戦に先発し勝利投手に。その後中国文化大学に進学も1年生の終わりに中退しプロ入りを果たした。ルーキーイヤーは二軍で3試合のみ、昨年は先発とリリーフを行き来し11試合の登板に終わったが、今季は開幕から先発としてローテを守りチーム3位の15試合に先発、勝ち星には恵まれなかったが打高投低のCPBLでERAは3点台後半、新人王候補にも名前が挙がった。ストレートは平均130km後半もノビがあり、スライダー、ナックルカーブと組み合わせコーナーを突く投球が持ち味。その一方で無駄なボール、四球も多く球数が増える傾向にあり今季は1試合最高のイニング数が6.1IP。今大会ではチーム3番手の先発として名前が挙がっている。

 

陳冠宇(チェン・グァンユゥ)Kuan-Yu Chen

1990.10.29(27歳 7年目 オーバーエイジ) 179cm 75kg 左投左打  

穀保家商-国立体育大学-横浜(11)-DeNA(12~14)-千葉ロッテ(15~)

17年成績:27試合 8先発 3勝4敗 ERA3.29 63IP 被HR5 与四球32 奪三振59 WHIP1.40

"先発もチェンチェン大丈夫の左腕エース"

 キャリアハイの一年を送った左腕。大学在学中の11年に横浜に入団もその年のオフに育成選手となり、12年8月にはトミージョン手術。外国人枠の関係で登板機会に恵まれず、一軍登板は14年の1試合のみに終わった。オフに戦力外となるとロッテの秋季キャンプでテストに合格し入団。15年はチーム左腕先発として最多の13試合に先発登板し5勝4敗 ERA3.23をマークし更にはCSでも好投。昨年は一軍7試合の登板にとどまるも今季はWBC代表に選出され開幕をリリーフで迎えると5月中旬~6月中旬まで先発に配置転換。その後再びリリーフに戻る忙しい役割をこなしたが安定した投球を披露。ストレートは今季リリーフ中心となってから球威がアップし常時140km中盤、自己最速149kmをマーク。加えてスライダー、フォーク、カーブ、シュートとのコンビネーションで内角を強気に突ける小気味のいい投球が持ち味で今季はストレートの被打率.233、スライダーの被打率.150と投球の8割以上を占める2球種が冴えていた。今大会は初戦の韓国戦に先発予定。

 

陳禹勳(チェン・ユーシュン)Yu-Hsun Chen

1989.05.20(28歳 4年目 オーバーエイジ) 182cm 83kg 右投右打 13年D1位 

強恕中学-台北市立大学-新北市-国訓-合作金庫-ラミゴ(14~)

17年成績:59試合 0先発 2勝4敗37S ERA2.63 61.2IP 被HR4 与四球29 奪三振70 WHIP1.18

"セーブ記録を塗り替えた国際大会の切り札"

 ラミゴの守護神。中学までは内野手メインも高校から投手に転向。すぐに頭角を現しエースとなったがその間の酷使がたたり高3時に肘の靱帯が切れトミージョン手術。大学進学後もリハビリに励んだが1年後に今度は右肩を傷め手術。二度の大きな手術を受けた後は国内では主に先発、国際大会ではリリーフとして活躍するまでに復調。卒業後は社会人3球団を経て13年のドラフト1位でラミゴ入り。ルーキーイヤーから65試合に登板とフル回転で30ホールドを挙げタイトルを獲得すると15年は不振に陥ったものの16年は65試合 ERA3.41と復調、今季はシーズン通して抑えの座を守り14年の元チームメートのメヒア(元西武)のCPBL記録シーズン35セーブを更新する37セーブを挙げ、チームの台湾シリーズ優勝に大きく貢献した。140km中盤~後半をマークするノビのあるストレートに以前はスライダーを勝負球としていたが昨年からフォークの比率を大きく増やすようになり、他にはカーブ、チェンジアップを織り交ぜる。国際大会に強いのも心強く、プレミア12では5.2IPを無失点、16年、17年の対侍ジャパン戦でも計3.0IPを無失点と完璧に抑えた。今大会でも抑えとしての活躍に期待したい。

 

・捕手

林祐樂(リン・ヨウレ)Yu-Le Lin

1992.06.23(25歳 3年目) 175cm 90kg 右投右打 15年D4位 

三民高中-華德工家-国立台湾体育運動大学-台湾電力-統一(15~)

17年成績:40試合 108打席 .222/.267/.283 得点40 安打22 HR0 打点7 三振19 四球5 盗塁0(成功率0%) 守備率.986 盗塁阻止率.500

"強肩戻った統一の控え捕手"

 守備力が売りの捕手。10年のIBAFワールドカップでは4番・内野手として優勝に貢献、同じく優勝を果たした14年のU21、そして15年の光州ユニバーシアードでは正捕手として活躍。大学卒業後は社会人の台湾電力を経てプロ入り、入団時はSSとCをこなせる強肩捕手として高評価を得た。しかしプロ入り後は捕手に専念も肩の故障に悩まされ、試合に出続けるうちにイップスとなり15年、16年の阻止率は.200、.135と低迷し17年の開幕前に「林志賢」から改名。今季は故障も癒えイップスを克服したことで強肩が戻り阻止率.500(26-13)をマーク、同年齢の郭峻偉と2番手捕手の座を争った。その一方でプロ入り後は配球に課題があると指摘されるケースが多くベテラン高志綱の後継者として正捕手を任されるにはまだ時間が必要か。打撃に関しては16年に打率.301をマークも今季は再び低迷、通算K% 20.7% BB% 2.8%と捕手であることを差し引いても打席でのアプローチに物足りなさが残る。

 

嚴宏鈞(イェン・ホンジュン)Hung-Chun Yen

1997.04.30(20歳 3年目) 165cm 70kg 右投左打 15年D11位 

美和中学-ラミゴ(15~)

17年成績:38試合 105打席 .282/.378/.329 得点17 安打24 HR0 打点7 三振22 四球13 盗塁0(成功率0%) 守備率.978 盗塁阻止率.542

"小柄でも侮れない若手捕手"

 後期ブレイクを果たした捕手。地元屏東の美和中學を卒業後15年のドラフト最下位でラミゴ入り。2年目の16年は二軍で23試合の出場にとどまるも阻止率.556と盗塁阻止能力の高さを見せると今季は一軍の捕手の相次ぐ故障や不振も重なり7月下旬に一軍初昇格。すると打ではシンプルなスイングでヒットを放ち9月22日まで打率3割をキープ、守では阻止率.542と捕球後のスローイングの速さ、正確さは一軍でも通用するものを見せ台湾シリーズでも3試合で先発出場。これまで2番手捕手として起用されていた劉時豪を一躍脅かす存在となった。今季はドラ1で高卒捕手廖健富が加入しラミゴの捕手競争はより一層激しさを増したが、これからの成長に期待したい。

 

内野手

吳念庭(ウー・ニェンティン)Nien-Ting Wu

1993.06.07(24歳 2年目) 178cm 75kg 右投左打 15年D7位(NPB) 

共生高-第一工業大学-埼玉西武(16~)

17年成績:15試合 44打席 .231/.295/.333 得点5 安打9 HR0 打点4 三振8 四球4 盗塁1(成功率100%) 守備率.862

"これからが勝負のユーティリティー"

 NPBでの2年目のシーズンを終えた内野手。高校から日本に野球留学し共生高では同じく代表入りした陳傑憲(統一)と共にプレー。卒業後は四国アイランドリーグ・愛媛に指名され入団合意に至るも後に自信の都合により退団、第一工業大に進学。大学では走攻守揃った1番・2Bとして活躍し15年ドラフト7位で埼玉西武入り。今季は源田壮亮の台頭により一軍での出場は15試合にとどまるも、二軍では90試合 打率.263 4HR 45打点 10盗塁、37K<45BBと打席でのアプローチが向上、守備では内野全ポジションに加え外野もこなし経験を積んだ一年となった。今大会でも内野のユーティリティーとしての起用が見込まれている。

 

 陳品捷(チェン・ピンジェ)Pin-Chieh Chen

1991.07.23(26歳 1年目) 183cm 80kg 右投左打 17年D2位 

南高商工-カブスマイナー(09~15)-レッズマイナー(15~16)-ドジャースマイナー(16)-四国アイランドリーグ・徳島(16~17)-富邦(17~)

17年成績:58試合 265打席 .328/.403/.509 得点56 安打76 HR7 打点33 三振28 四球26 盗塁3(成功率75.0%) 守備率.958

"富邦のセンターラインの穴埋めた元マイナーリーガー"

 スピードツールに長けた俊足巧打の2B。高校卒業後カブス入りすると、12年にAで36盗塁と走力を武器に10~15年までマイナーで2桁盗塁をマークし2Aまで到達。15年のルール5ドラフトでレッズに移籍、16年5月にトレードでドジャースに移籍も7月にリリース。その後四国アイランドリーグ・徳島に入団し今季途中までプレー、今季は32試合 .280 0HR 11打点 6盗塁。今年のドラフトで富邦に入団すると後期開幕戦から出場、マイナーでは主にOFも富邦ではマイナー1年目以来の2Bメインに出場しチームの穴を埋める活躍を見せた。マイナー通算のBB% 10.76%をマークしたアプローチはCPBLでも健在で、バットコントロールに優れライナー性の打球を広角に放つことを得意としていた打撃も打球が上がるようになり長打が増加。2B守備はまだ不慣れからかイージーミスも目立ったが来季以降の改善に期待したい。

 

郭阜林(グォ・フーリン)Fu-Lin Kuo

1991.01.07(26歳 3年目) 181cm 90kg 右投右打 15年D7位 

南高商工-国立台湾体育運動大学-ヤンキースマイナー(09~13)-国訓-統一(15~)

17年成績:60試合 200打席 .296/.352/.536 得点37 安打53 HR11 打点34 三振50 四球16 盗塁1(成功率33.3%) 守備率.943

"台湾でようやく開花したパワーある便利屋"

 フルシーズンでの活躍が見たい内野手。大学入学後すぐの09年にヤンキースと契約、「Aロッドの後継者」としてその将来性を高く評価されるもマイナーでは13年のA+までしか昇格を果たせず伸び悩み、4シーズンで計167試合 打率.232 8HR OPS.648にとどまった。14年に台湾に帰国後は兵役のため國訓でプレーし第1回ポップコーンリーグに出場。15年は開幕を統一の自主培訓(練習生)として二軍で迎え、7月に活躍が認められドラフト指名され正式に選手登録、後期だけで7HRをマーク。16年は開幕早々守備時に打球が顔面を直撃し、4月に右手手のひらを骨折と怪我に見舞われ28試合の出場にとどまった。今季は前期に左脇腹を傷め約2ヶ月の離脱も後期に9HRを放ち統一の後期2位に貢献。クローズドスタンスゆえ外角のボールに強く、今季の11HR中6本がライト方向と逆方向へ力強い打球を放つ一方、アプローチの粗さを課題とする。守備は送球の安定感には欠けるものの3B/SS/1B/LFをこなすユーティリティーさが武器。今大会はアスレチックス時代から憧れだったというドナルドソン(ブルージェイズ)の背番号20をつけプレーする。

 

陳傑憲(チェン・ジェーシェン)Chieh-Hsien Chen

1994.01.07(23歳 2年目) 173cm 73kg 右投左打 16年D2位 

共生高-台湾電力-統一(16~)

17年成績:114試合 516打席 .387/.466/.508 得点113 安打169 HR3 打点48 三振36 四球53 盗塁17(成功率60.7%) 守備率.953

"統一の未来を担うイケメンショート"

 2年目にしてスターの仲間入りを果たしたSS。10年から共生高に留学し12年にはNPBドラフト志望届を提出するも指名されず、卒業後はアマ強豪の台灣電力で13~16年までプレー。ルーキーイヤーの昨年はメインのSSの他に社会人時代に多く守っていたLFとしての出場も多かったが37試合に出場し打率.345と頭角を現すと、今季は開幕から1番・SSに定着し9月28日まで打率4割をキープし最多安打首位打者のタイトルを王柏融と争う活躍、17盗塁もリーグ2位とリードオフマンとして申し分ない働きを見せた。打撃では高いコンタクト能力からセンター、逆方向に安打を量産し守備では送球の安定感に欠けるものの広い守備範囲を誇る。3月の侍ジャパン壮行試合では菅野(巨人)から2安打を放った。

 

范國宸(ファン・グォチェン)Kuo-Chen Fan

1994.11.25(22歳 1年目) 183cm 88kg 右投右打 17年D5位 

平鎮高中-国立台湾体育運動大学-富邦(17~)

17年成績:11試合 43打席 .421/.488/.605 得点5 安打16 HR2 打点7 三振6 四球4 盗塁1(成功率100%) 守備率.949

"予想外の活躍見せた右の大砲"

 今後が楽しみな右の大砲。高校~大学と中軸を任され、広い範囲に長打を飛ばせる広角打法を持ち味とする。今年の台北ユニバーシアードで代表としてプレー後プロ入り、一軍での出場数は少なかったがレギュラーである林益全の怪我により代わりに1Bに入ると打撃でアピールし代表入りを勝ち取った。高校までは主に1Bも大学3年から3Bも守るようになり、プロ入り時には3Bメインに、昨年のウインターリーグでは3B/1B/2Bの3ポジションをこなしたため今後の起用法の幅が広がっているのも心強い。今年のウインターリーグにも2年連続で参加予定だったが、兵役の関係で不参加となった。

 

林立(リン・リー)Li Lin

1996.01.01(21歳 1年目) 180cm 75kg 右投右打 17年D2位 

平鎮高中-国立体育大学-ラミゴ(17~)

17年成績:13試合 53打席 .340/.415/.511 得点12 安打16 HR11 打点7 三振15 四球6 盗塁2(成功率66.7%) 守備率.965

"攻守兼備の魅せる内野手"

 SS/2Bをメインにこなす内野手。大学時代は長打力と守備力を兼備した2Bとして評価されていたが、国際大会代表は今年の台北ユニバーシアードが初。なおウインターリーグには15年から2年続けて出場しそれぞれ打率.341 打率.349と活躍、守備でもSS/2B/3Bの3ポジションをこなした。今年のドラフトでプロ入りすると一軍初打席でHRのド派手なデビューを果たし、打撃でも一軍に通用するものを見せた。強肩、守備範囲の広さと正確さは一軍でも既にトップレベルにある。課題であるプロの投手の鋭い変化球への対応を克服すれば来季はレギュラーとして活躍できるであろう。守備では足捌きの安定を図りたい。

 

朱育賢(ジュ・ユーシェン)Yu-Hsien Chu

1991.11.26(25歳 3年目) 188cm 100kg 左投左打 15年D7位 

大理高中-中国文化大学-崇越隼鷹-国訓-ラミゴ(15~)

17年成績:112試合 424打席 .308/.399/.610 得点71 安打112 HR27 打点83 三振89 四球50 盗塁1(成功率33.3%) 守備率.990

"豪快なスイングが魅力の長距離砲"

 長打力では今代表ナンバーワンの左打者。野球を始めたのは中学からと遅かったが、中3で既に185cmと立派な体躯を生かし投手として投打に活躍。高校は当時創部3年目の大理高中に進学し07年の高校野球リーグではダークホースとしてチームを準優勝に導いた。その後好打者を多数輩出している中国文化大学に進学すると2歳下の後輩である王柏融(ラミゴ)の入学まで4番を務め主軸として活躍。卒業後兵役を終えドラフト参加、左利きの1B/OFというポジションの兼ね合いもあり7位と低順位での指名ながらプロ入り後は武器の長打力をいかんなく発揮し16年は15HR、今季はリーグ2位となる27HRをマーク。4月には王柏融と並んでメジャースカウトからの視察を受けるまでに主軸として成長した。低めの変化球に脆さを見せるも肩乗せ打法からの気持ち良いフルスイングが最大の魅力でストレートに振り負けない。今大会は内野手登録も今季はLFを多く守ったがLFとしては打球判断、範囲共に平均以下。また対左投手に打率.237と分が悪かったため日韓の左腕との対決にも注目したい。

 

林承飛(リン・チェンフェイ)Cheng-Fei Lin

1997.04.08(20歳 3年目) 178cm 78kg 右投右打 15年D2位 

平鎮高中-ラミゴ(15~)

17年成績:91試合 328打席 .265/.330/.412 得点33 安打77 HR6 打点31 三振64 四球27 盗塁4(成功率57.1%) 守備率.968

"スターへの階段を駆け上がる若きショート"

 既にSSのレギュラーを安泰なものとした若武者。中学までは内野手と投手の二刀流、高校では4番・SSとして強豪平鎮高中でプレー、15年にはU18ワールドカップ代表に。卒業後当時の高卒野手最高額となる契約金400万元でラミゴ入り。入団1年目の15年にCPBL最年少での本塁打記録を塗り替えると2年目の昨年はSSとしてレギュラーを勝ち取り打率.307 9HR 55打点をマーク、ベストナインを獲得。今季はレギュラーシーズンの成績を落としたが台湾シリーズでは第3戦で1試合8打点の新記録を達成するなど打ちまくり優秀選手に選ばれ、この活躍により廖健富(ラミゴ)と代わって今大会の代表入りを果たした。打撃は低めのボールにも上手く対応できるのが強みで、対左投手には2年連続で打率3割超。守備は肩は平均レベルながら軽いフットワークから広い守備範囲を有し、20歳とは思えない安定感を誇る。陳傑憲(統一)とポジションが重なるためどのように起用されるか注目したい。

 

・外野手

王柏融(ワン・ボーロン)Po-Jung Wang

1993.09.09(24歳 3年目) 181cm 90kg 右投左打 15年D1位 

穀保家商-中国文化大学-ラミゴ(15~)

17年成績:115試合 517打席 .407/.491/.700 得点107 安打178 HR31 打点101 三振44 四球50 盗塁16(成功率61.5%) 守備率.996

"再び日本で大暴れしたい大王"

 すっかり日本の野球ファンにもお馴染みになった台湾の大王。高校時代は3Bとしてプレーも国際大会の代表には選ばれず一度は野球を諦めようと思った時期もあったそうだが、中国文化大学に進学すると外野手に転向し長打力が向上。13年の東アジア大会、14年のU21などの国際大会で主力として活躍するまでに成長した。15年に当時の野手最高額の契約金500万元でラミゴ入り。ルーキーイヤーは9月からの出場ながら29試合で9HRと格の違いを見せつけると昨年はCPBL史上初の打率4割、200安打を達成、今季は台湾人選手としては史上初の四冠(首位打者本塁打王打点王最多安打)を達成、ゴールデングラブベストナイン、シーズンMVPも含めると七冠とタイトルを総なめに。打撃はCPBLでは最早穴が見つからない状態となっており、今季は対左投手打率が.530、44K<50BBとキャリアで初めて四球数が三振数を上回った。この活躍に海外球団からの注目が続いているが、CPBLの海外移籍のFA権は累計3年のため最速でも18年オフ以降でなければ移籍は認められない。

 

陳子豪(チェン・ズーハオ)Tzu-Hao Chen

1995.07.29(22歳 5年目) 179cm 89kg 左投左打 13年高校生D2位 

高苑工商-兄弟(13)-中信兄弟(14~)

17年成績:78試合 345打席 .336/.403/.622 得点63 安打103 HR19 打点64 三振57 四球29 盗塁9(成功率75.0%) 守備率.933

"着実に打撃で成長見せる高卒外野手"

 前半戦大活躍の左打者。高校時代から打撃が高く評価され13年の高校生ドラフト2巡目でラミゴと競合の末、前身の兄弟に入団。1年目から最終戦で一軍出場を果たすとその後は順調に出場試合数を伸ばし長打力も向上、16年は打率.350 15本 70打点をマーク、今季は開幕から好調で主に1、2番に入りホームラン数は一時リーグトップをキープしていたが7月下旬に左肘靱帯を傷め約2ヶ月離脱、復帰後はDH中心でプレーした。打撃は元々速かったスイングスピードがプロで更に向上し、低めのボールも苦にせずしっかり振り抜き長打を生み出す。一方高校時代から不得手としていた守備は相変わらずで送球の安定性、打球判断ともに悪く、見えないミスも多いのがネックで今季は主にRFを守った。良い意味でも悪い意味でも若さがプレーに表れる選手であり、来年こそは自身初の規定打席到達を果たしシーズンを通して元気にプレーしたい。


蘇智傑(スー・ジージェ)Chih-Chieh Su

1994.07.28(23歳 2年目) 180cm 88kg 右投左打 16年D1位 

平鎮高中-中国文化大学-統一(16~)

17年成績:92試合 404打席 .351/.423/.593 得点67 安打125 HR17 打点77 三振72 四球41 盗塁9(成功率64.3%) 守備率.938

"統一の若き四番打者"

 打力は申し分ない左のパワーヒッター。高校時代から主軸として頭角を現し11年のAAAアジア野球選手権、12年のAAA世界野球選手権に出場。中国文化大学では王柏融(ラミゴ)の卒業後4番として活躍、15年のアジア選手権では打点王、16年の春季リーグではトップの4HR。長打力と内外野こなせる器用さが評価され昨年全体ドラ1として野手史上最高額の契約金560万元で統一に入団、44試合で打率.333 9HR 33打点をマーク。今季は開幕から右肘の軽い靱帯裂傷により1ヶ月ほど出遅れ、また台北ユニバーシアード代表に選出されたこともあって規定打席には届かなかったが4番として長打力を発揮、左投手も苦にしない。一方で守備はアマ時代は1B、2B、RFと内野中心にこなすも今季は前述の怪我の影響を考慮し負担の少ないLFにコンバート。ただ経験不足からか打球判断が悪く、肩も強くないため大きな穴となってしまった。今大会では守備の不安も考慮してDHでの起用がメインとなりそうだ。

 

詹子賢(ジャン・ズーシェン)Tzu-Hsien Chan

1994.02.24(23歳 2年目) 183cm 92kg 右投右打 16年D2位 

南英商工-中国文化大学-中信兄弟(16~)

17年成績:83試合 308打席 .350/.403/.610 得点43 安打97 HR17 打点60 三振53 四球26 盗塁3(成功率50.0%) 守備率.971

"広角打法が持ち味の今年の新人王"

 飛躍の一年となった外野手。高校2年生まで投手として名を馳せ、高1で最速146kmをマーク。しかし高2時に故障がきっかけでイップスにかかり外野手に転向。大学進学後は1、2年時には目立った成績を残せなかったものの3年から結果を残し始め中軸に座るようになり、大学の先輩である王柏融(ラミゴ)の後を継ぐ形で4番に入ることもあった。15年のウインターリーグではチーム最多の15試合に出場し.354/.436/.500 1HR 12打点、昨年の春季リーグでは打率.513 17打点の二冠に輝くなど好成績を残しドラフト2位で中信兄弟に入団。1年目は契約後すぐに一軍に昇格すると15試合で2HR、台湾シリーズにも出場を果たすと、今季は8月下旬から4番に定着し新人王を獲得、若返りを図る中信兄弟の象徴的な存在となった。失投を逃さないパワーと広角に打球を飛ばす打撃を持ち味とし、守備は範囲こそ広くないものの強肩を有し74試合で6捕殺。打席に入る際に尻を揺らす動作をルーティーンとしているが、本人曰く大学3年生になる頃にしゃがんだ方が重心が安定すると考え、また打席でじっと投手を見るのが好きではないため始めたとのこと。

 

陽岱鋼(ヤン・ダイガン)Dai-Kang Yang

1987.01.17(30歳 12年目 オーバーエイジ) 183cm 89kg 右投右打 05年高校生D1位(NPB) 

福岡第一高-日本ハム(06~16)-巨人(17~)

17年成績:87試合 381打席 .264/.356/.406 得点46 安打87 HR9 打点33 三振80 四球41 盗塁4(成功率66.7%) 守備率.988

"自ら参加を志願した今大会最年長"

 リーダーとして活躍が期待されるスター。11年間プレーした日本ハムからFAで巨人に移籍、WBCを出場辞退し臨んだ今季は下半身の張りで開幕一軍に間に合わず、一軍昇格は6月上旬。昇格後は徐々に調子を上げ8月は打率.323 5HRをマークも9月に打率.209 0本と不調に陥り、盗塁もレギュラー定着後最少の4個。なおUZRはCF全体3位の10.4。若手中心の今大会に彼が出場すると予想する者は少なかったが、洪一中監督曰く「彼はずっと今大会のニュースに関心を持っていた。彼の立場と知名度から言えば特別にこの大会に出場する必要もないが、彼の台湾のために力になりたいという気持ちは揺ぎ無いものであり、大会参加を歓迎している。」とコメント、今大会にかける本人のモチベーションは高い。