台湾プロ野球データベース コラム集

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台湾プロ野球をインターネットで視聴する方法(2016年版)

 かつて台湾プロ野球を海外から視聴するのはハードルが高かった。というよりも若干のストレスを感じながらの視聴を強いられていた、と言った方が正確かもしれない。私が台湾プロ野球を視聴し始めた09年頃は当然インターネットによるオフィシャルな中継などはなく、台湾現地のテレビを視聴できなければ現在既にサービスを終了したJustin TVにアクセスし台湾のユーザーが配信する中継映像を見るか、PPS等のテレビ中継を視聴できるサイトにアクセスするしかなかった。しかし前者は人数制限があるが故に試合開始時点でルームに入らなければ観戦途中で締め出しを食らうことがあり、後者は動画がスムーズに閲覧できなくなることもしばしばで、中継一試合を通して見るのも簡単とは決して言えない状況だった。

 

 そんな状況が変わり始めたのは2013年8月。CPBLによる公式youtubeチャンネルが開設され、8月下旬から試合終了後にフル動画がアップロードされるようになり、11月に実施されたアジアシリーズウインターリーグの生中継が行われた。海外の職棒ファンにとって大きな一歩であり、近くて遠かった職棒が身近になった契機でもあった。

 翌年2014年にはCPBLによる公式中継チャンネル「CPBLTV」がスタート、海外からもストレスと大きなラグを解消しスムーズに中継が楽しめる環境となった。そして2015年からはラミゴが「LamigoTV」をスタートさせ、現在に至るまでラミゴのホーム試合を全試合無料中継。今年からは中信兄弟がpb+寶悍運動平台と提携し専門チャンネル「Brothers TV」を、統一がYahoo奇摩、愛爾達(ELTA)と提携を結びネット中継をスタートさせ、それぞれの球団ホームゲームを無料で中継することとなった。これにより今年4/26時点では4球団中3球団のホームゲームが無料で見られる環境が整ったことになる。(なお、残りの義大に関しては今年3/19の時点でGMが「業者と話し合いを進めているところであり、最も早くて4月には専門チャンネルをスタートさせる」とのコメントがあったため、遅くとも今季中には公式戦全試合を無料で視聴できそうだ)*1

 ここではまず3球団の無料で視聴可能なチャンネルについてそれぞれの特徴をメインに紹介し、基本有料のCPBLTVについては後半に紹介する。

 

 

・LamigoTV(リンクは生中継用。ラミゴのホームゲーム60試合を放送。なお昨年はラミゴホームの台湾シリーズも中継された。)

www.camerabay.tv

 長所

 ①ベンチ、ブルペン、Lamigirlsのステージを独自のカメラにより確認可能(PCのみ)

 ②2年目に入ったチャンネルということもあり、中継以外の番組もそこそこ充実

 ③人気アナウンサー徐展元氏の名調子、ゲストとの掛け合いが楽しめる

 

 短所

 ①基本的にTV中継を行っているチャンネルの映像をそのまま流している他の2チャンネルと異なり、徐展元氏とゲストによる実況であるため、中継のスタンスがラミゴ寄りであり、きちんと解説を聴きながら楽しみたい人には不向き

 ②徐展元氏とゲストが試合中に食事をしたり、野球に関係ない話題も少なからず話すため試合観戦に集中しにくい時がある

 

 現在ある3チャンネルでは最もアクセスしやすく、内容が充実している。「台灣好」というアプリをダウンロードし視聴することも可能だが、スマホタブレット、PCで直接上記のURLにアクセスすれば視聴可能である。FOX體育台による中継を行い、サービス開始当初は前期終了直前まで無料、その後は有料とするとしていたが、現在まで無料で視聴できる状態が続いており、ネット中継サービスを提供している「麥卡貝」も昨年8月に「スポンサーからの広告料により引き続き無料でサービスを行いたい」とコメントしている。*2

 サービスが2年目に入った今季からはベンチ、ブルペン、Lamigirlsのステージにカメラを設置し様々な角度で中継を楽しめるようになった。

 

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  一番左にある「多視角」をクリックすると上の画像のようになり、違うカメラからの映像をチェックできる。上から「主視角」がメイン画面、「球員休息區」はベンチ、「牛棚熱身」はブルペン、「Lamigirls舞台」は一塁側の内野ステージのカメラに切り替わる。(画質は少々粗い)

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 画面を切り替えるとメイン画面は視聴できなくなるが、例えばラミゴの打者がHRを放った直後にベンチに切り替えて選手の反応をチェックしたり、試合中盤以降、競ったゲーム展開でブルペンで誰が準備しているのかを確認する、と言った楽しみ方が考えられる。

 短所として中継がラミゴ贔屓であることを挙げたが、これはラミゴのチャンネルという特性上許容しなければいけないであろう。それよりも改善してもらいたいのは中継そっちのけでゲスト(始球式を務めた芸能人、LamigoTVにゲストとして出演した芸能人、Lamigirlsのメンバーであるケースが多い)と実況の徐展元氏が食事に勤しんだり、雑談に花を咲かせる時間が決して短くないこと。そのため野球中継を純粋に楽しみたい人にとっては少々不向きなチャンネルかも知れない。(一枚目の画像のように徐展元氏とゲストが映るとなると中継画面が小さくなったり、試合中も画面左上に彼らが映りこむことが殆どである)

 

・Brothers TV(リンクはチャンネルトップ。中信兄弟のホームゲーム60試合を放送。視聴には無料のアカウント作成が必要。)

中信兄弟 Brothers TV

 長所

 ①今後番組を充実させていく予定で、中継だけでなくチケット購入や球団グッズ購入の機能も兼備した専用アプリのリリースも検討されている*3

 

 短所

 ①他2チャンネルと異なり視聴するためにはアカウント作成、ログインが必要

 ②他2チャンネルと比べ中継(音声、映像)の安定度に欠ける

 

 今年からサービス開始。スポーツプラットフォーム「寶悍運動平台」と提携しており、緯來體育台の中継映像をそのまま用いることで配信を行っている。これもLamigoTVと同じくアプリは必要なくスマホ、PCから視聴可能。

 

 アカウント作成方法、ログイン方法を説明する。

①まずトップページにアクセスし「登入/註冊」(ログイン/登録)をクリック。

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②「註冊/忘記密碼?」(登録/パスワードを忘れましたか?)をクリック。

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③上から「電話番号」「メールアドレス」「設定したいパスワード」「パスワード(確認)」を入力する。なお電話番号に関しては10桁で入力する必要があるが台湾の電話番号は必要なく、適当に日本での電話番号の最後の一桁を取ったものを入力すればOK。入力し終えたら註冊」をクリック。これでBrothers TVを視聴するためのアカウント作成は終了となる。登録確認のメールも送られては来ないため、また②の画面で電話番号とパスワードを入力すればログインが可能である。

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(6/18追記)

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 5/28より元緯來體育台キャスター、記者の楊政典氏が実況を担当、解説は01年に防御率のタイトルを獲得した(1.40は職棒記録)蕭任汶氏、中信兄弟スカウトの王金勇氏など兄弟OBが務めている。

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 現時点での画面はこのようになっている。一時期不可能となっていた画質の選択が再び可能となり、またチャット機能も設けられた。

 

 ・Yahoo奇摩影音 統一獅チャンネル(リンクは生中継用。統一のホームゲーム60試合を放送。)

https://tw.video.yahoo.com/lions/

 

長所

①画質を選択可能で、高画質で無料中継が楽しめる

統一獅の試合に関する短い動画をまとめており見やすい

 

短所

愛爾達(ELTA)の中継を用いているため、若干淡々とした、味気ない印象を抱く可能性がある(CPBLTVの映像、音声と同じ)

 

 Brothers TVと同じく今季からサービス開始。Yahoo奇摩、愛爾達、統一が提携し誕生したチャンネルで、映像は愛爾達のものをそのまま使用している。Yahoo奇摩新聞のアプリを通せば試合直前に観戦情報などが流れるようだが、それが特に必要なければスマホ、PCからアクセスして視聴すれば問題ない。Yahoo奇摩のトップ*4にも中継中は下の画像のように「直播」(生中継)と表示され、上のリンクにアクセスできる。ただ高画質中継を売りとしている愛爾達による中継は視聴環境としては素晴らしいものの実況、解説共に淡々と話す傾向にあり中継としての盛り上がりには欠ける印象。

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(5/14追記)

 現在は画質も選択可能となり、(画面右下で変更可能)右側のチャットには「Y小編」(Yahooの中の人)も加わり随時試合経過や球団情報を流すようになった。

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(6/18追記)

 現在はYahoo奇摩のトップページ(Yahoo奇摩)からも中継映像が視聴できる。

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・二軍戦視聴(6/18追記)

https://tw.sports.yahoo.com/news/live-%E4%B8%AD%E8%81%B7%E4%BA%8C%E8%BB%8D27%E5%B9%B4%E4%BE%8B%E8%A1%8C%E8%B3%BD-074847231.html

 6月上旬より、以前はCPBLTVのBプラン、Dプランの会員しか視聴できなかった二軍戦の無料放送が上記のリンクより行われるようになった。CPBLTVによる中継と同じく金土日の試合のみ放送される。試合時間は中継が行われる金土日は日本時間13時30分からで、延長戦は行われない。現在のところ、画面右下のボタンをクリックしてもフルスクリーンでの表示にはならないため、若干視聴しづらい。

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・CPBLTV

http://www.cpbltv.com/

 ここからは一部を除いて有料チャンネルであるCPBL公式チャンネル、CPBLTVについて説明する。アプリも提供されており、PCのブラウザで視聴するよりも快適に視聴できる。(なお無料の3チャンネルに比べ海外からだと10秒ほどタイムラグがあるようだ)

 まずCPBLTVの料金体系と無料、有料サービスの区分について確認しておく。

 

(料金体系)

Aプラン

2016年の一軍公式戦(オープン戦プレーオフ台湾シリーズ含む)

1デバイス視聴799元 2デバイス視聴1399元

 

Bプラン

Aプラン+金土日の二軍公式戦

1デバイス視聴849元 2デバイス視聴1479元

 

Cプラン

Aプラン+2012、2013年からそれぞれ50試合ずつ試合をピックアップした試合のフル動画を視聴可能

1デバイス視聴849元 2デバイス視聴1479元

 

Dプラン

Aプラン+金土日の二軍公式戦+2012、2013年からそれぞれ50試合ずつ試合をピックアップした試合のフル動画を視聴可能

1デバイス視聴888元 2デバイス視聴1549元

 

(無料で利用可能)

・2016年過去の試合フル動画視聴(「完整賽事」)

・「精彩短片」の視聴(ハイライトのショートムービー。なお同じものはCPBLyoutubeチャンネルにアップされている)

 

(有料サービス)

・一、二軍のライブ配信視聴(二軍は金土日の試合のみ中継あり)

・2014、2015年の試合フル動画視聴(「完整賽事」)

2012、2013年からそれぞれ50試合ずつ試合をピックアップした試合のフル動画視聴(「精選賽事」)

 

 このようになっており、早い話が無料だと「今季の過去試合の動画しか視聴できない」ということになる。現状無料の3チャンネルは過去の試合のフル動画をチャンネル内にアーカイブとして残していないため、見逃した試合についてはCPBLTVにアクセスしチェックすれば良い。CPBLTVの会員登録(料金支払い)の詳細については省略するが、上部の「我要購買」をクリックし「信用卡」(クレジットカード)による支払いで海外からの登録、購入も行える。

 しかし、LamigoTV以外の2チャンネルが開幕直前の3月にサービスの開始を発表したこともあり早期購入割引を求めそれ以前からCPBLTVを購入したユーザーからは「これだけ無料で視聴できる環境が整ってしまえば、有料で購入した意味がないではないか」といった不満の声も聞かれた。こうした声に対しCPBLTV側は「私達の長所はビデオオンデマンドを提供していることであり、ファンは既に終了した試合についても視聴できる。これは他球団のチャンネルが提供していないもので、CPBLも生中継が可能となる権利だけを各球団のプラットフォームに与えている。」とコメントしている。*5

 CPBLTVは今後も試合中継をベースに発展を続けていくと考えられ(例:2013年以前の試合のフル動画を視聴可能にする など)、各球団が提供している無料チャンネルとの差別化が図られるであろう。インターネットしか視聴できる術がなく、生中継だけ見られれば良い、という多くの海外のファンにとっては正直なところ現状の価格はやや高いと言わざるを得ない。各球団が大きな動きを見せた今、公式チャンネルとしてファンを満足させるサービスに期待したい。

 最後に台湾国内のみならず、少しでも多くの海外の野球ファンがこれらの中継を通し台湾プロ野球に関心を抱いてくれることを期待して、本稿を締めくくらせていただく。