2016CPBLドラフト指名選手リスト 統一+義大
※本記事で紹介する選手はドラフトで指名された選手であり、全員が契約に至ったわけではありません(仮に契約に至らなかった場合は追記します)
統一(指名8名)
①蘇智傑(スー・ジージェ) 中國文化大學 180cm 88kg 21歳 右左 内野手
契約金560万元 月給10万元 出来高100万元 背番号32
長打力と内外野をこなす器用さが武器の全体ドラ1。文化大では王柏融(ラミゴ)卒業後4番として活躍、昨年のアジア選手権では打点王、今年の春季リーグでも最多の4HR。強打者でありながら粘り強くボールを選ぶこともできるのが特長。大学では当初1Bに入ることが多かったがアジア選手権ではRF、昨年のウインターリーグでは2Bと様々なポジションに挑戦。守備の安定感はそれほどないものの、統一では選手層の薄いSSでの即戦力としての活躍が期待される。
②陳傑憲(チェン・ジェシェン) 台灣電力 175cm 75kg 22歳 右左 内野手
契約金440万元 月給10万元 出来高60万元 背番号46
走力とコンタクト能力に高い評価の、溌剌さが光る内野手。10年から岡山共生高校に留学。12年にはNPBドラフト志望届を提出するも指名されず、卒業後はアマ強豪台灣電力でプレーし昨年10月からは正社員に。高校までは主にSSとしてプレーも台灣電力ではOF(LF、RF)で出場する機会が増えた。球団の少なさによる競争の激しさからドラフトを引き延ばしてきたが今回ようやくの参加に。パワーレスではあるが、打高投低の職棒における起用法が注目される。
③陳育軒(チェン・ユーシュエン) 國立體大 177cm 72kg 20歳 右左 投手
契約金350万元 月給6万元 背番号70
「今年のドラフト最大のサプライズ指名」となった右腕。昨年のウインターリーグで中華培訓隊の一員として6試合に登板もこれまで目立った国際大会での実績はなくドラフト参加資格はなかったが統一の推薦により参加、本人も予想外の上位指名となった。球速は130km中盤、変化球もほぼスライダーのみだが高いコマンド能力が統一の高い評価を得ており、ノビのあるストレートと落ち着きのあるマウンド捌きも良い意味で20歳らしからぬものを見せる。現在アメリカの大学野球サマーリーグに参加中のため8月に帰国予定。
④王玉譜(ワン・ユープ) 開南大學 184cm 81kg 20歳 左左 投手
契約金310万元 月給8万元 背番号29
9月から大学3年生も休学しドラフト参加した本格派左腕。ドラフト前の評価は高く上位指名が予想されていたが直前にU23代表として巨人三軍戦に登板も今一つの成績に終わったことが影響したか。まさかの4位指名に統一と契約せず海外でプレーする可能性もある。 今年に入ってからはリリーフ中心で登板し最速150kmのストレート、スライダー、チェンジアップを持ち球とする。昨年のウインターリーグでは4試合に登板し12IP/17K/6BB ERA3.75と奪三振能力の高さを示した。U23監督の郭李建夫は「もしプロに行くのであればロングリリーフが向いているのでは」とコメント。
⑤潘彥廷(パン・イェンティン) 中國文化大學 184cm 78kg 22歳 右左 内野手
契約金250万元 月給5万元 背番号35
余德龍(ラミゴ)のような便利屋を目指すユーティリティ。今回はSSとしてドラフト参加も中学ではSS、高校ではOF、そして大学では内外野を守るようになりバッテリー以外の7ポジションをこなす。敏捷性のある守備と走力、選球眼の良さが持ち味ながら競争の激しい文化大では大学2年までは出場機会に恵まれず3年から徐々に頭角を現してきた。スイングがスムーズでなくパワーが上手く発揮できていないという指摘もあり、打撃がどこまで通用するかがカギとなりそう。
⑥林威志(リン・ウェイジ) 國訓 190cm 103kg 23歳 右右 投手
大学入学前は最速145kmをマークしたものの大学1年時に交通事故に遭った影響から登板数に恵まれず。3年になってから登板機会が増え主にロングリリーフとしてプレー。14年のポップコーンリーグでは崇越に所属、レギュラーシーズンでは10試合に登板しERA3.29と平凡ながら優勝決定戦第1戦で7回4失点と試合を作り勝利投手に。どっしりとした下半身が印象的で、変化球はチェンジアップに自信がある様子。
⑦林航(リン・ハン) 國訓 180cm 86kg 23歳 左左 投手
目立った実績はないものの國訓の王光輝監督から楊志龍(中信兄弟)、林威志と共にドラフト指名される可能性があると名前が挙がった一人。持ち球はフォーク、シンカー、カーブ。
⑧洪心騏(ホン・シンチー) 新北市 185cm 101kg 22歳 右右 投手
立派な体躯を誇る右腕。12年AAA選手権代表として日本戦に先発し藤浪(阪神)と投げ合い、敗れはしたが6回2失点と好投。先発投手としてまずは二軍で育成となりそうか。
義大(指名10名)
①申皓瑋(シェン・ハオウェイ) 高苑工商 183cm 75kg 18歳 右右 外野手
打撃ではスイングスピードの速さと逆方向の長打の多さ、守備では肩の強さが光るCF。昨年はU18代表入り、昨年末のMAZDA台日高校野球交流試合では日本の指導者からも高い評価を受けた。課題は選球眼の悪さとスイングの過度な大振り、そして長打を処理する際の守備で無駄な進塁を許すなど拙さは残るが高卒選手としては十分完成された素材といえる。スカウトの中にはCFとしてはスピード不足との声もあり義大のCFが現状林哲瑄で安泰なことからもコーナーOFとして育成される可能性が高い。小柄な選手が多い布農族だが体格は立派。
②陳仕朋(チェン・シーポン) 西苑高中 182cm 80kg 18歳 左左 投手
先発としての育成が見込まれる高卒左腕。ストレートの最速は140km、平均135km程度であり主な変化球はカーブ、フォームの柔らかさと協調性の高さが特長。高校の監督は先輩の同じ左腕である江辰晏(統一)よりも球速が早く、ボールにノビもあると評価。昨年のLLBワールドシリーズアジア太平洋予選では投手とOFの二刀流としてプレー。尊敬する選手はデビッド・プライス(レッドソックス)。
③李宗賢(リ・ゾンシェン) 國立體大 177cm 67kg 22歳 右右 内野手
14年のU21で3Bベストナインを獲得。3B/2Bを主に守り(SS、OFも可能)、ここ最近は2番、9番に入り打線のつなぎ役として機能した。走力と守備の安定感が特長で打撃は確実にボールを捉えるコンパクトなスイングも高めのボールに弱く長打力には欠ける。自身も打撃のレベルアップを課題に挙げており、義大では競争が比較的激しくない3Bから出場機会を得ていきたい。
④陳明軒(チェン・ミンシュエン) 開南大學 180cm 74kg 22歳 右右 投手
14年のU-21、昨年のアジア選手権代表。若干体をトルネード気味に捻るフォームから最速148kmのストレートと鋭いスライダー、フォークを武器とする。制球が今一つであり、そこが改善されれば先発ローテ入りも見えてきそうだ。
⑤張冠廷(ジャン・グァンティン) 美和中學 184cm 83kg 17歳 右左 捕手
契約金150万元 月給5万元(4年半の複数年契約)背番号21
高校では主戦捕手としてプレー、1BとOFもこなし高い運動能力を持つ。外野のギャップを抜く長打も珍しくなく、焦らず将来の正捕手を伺える存在となってもらいたい。
⑥吳蔚驊(ウー・ウェイファ) 合作金庫 180cm 93kg 25歳 右右 投手
→契約に至らず
ここ最近は主にリリーフとしてプレー、サイド気味のフォームから最速150kmのストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップと球種は豊富。制球はアバウトで力で押すタイプといえる。6月に行われたドラフト参加資格を得るためのCPBL新人テストに遅刻したため、球団推薦によりドラフト参加資格を得るハプニングもあった。
⑦劉家愷(リョウ・ジャーカイ) 台灣體大 181cm 88kg 22歳 左左 外野手
父は義大のヘッドコーチ劉榮華。同じチームにコーチの父と子が同時に在籍するのはCPBL史上初。今年の春季リーグではリーグ5位となる17打点をマーク。スピードに優れていることからCF向きであり、長打力も兼ね備えるが外角、そして高めのボールへの対応を若干苦手とする。義大は4番手外野手の層が薄いだけに、下位指名ではあるが一軍で姿を見られる日も近いか。
⑧吳筌宏(ウー・チュエンホン) 輔仁大學 178cm 70kg 22歳 右左 内野手
契約金、月給、出来高は不明 背番号49
大学では2B、OFとしてプレー。今年の春季リーグでは.477/.566/.705のスラッシュラインで打率3位にランクイン。バットを短めに持ち速いスイングスピードで野手の間を抜き安打を量産するタイプだがボール球に手を出しがち。2B守備が安定感に欠けているとの評価も。
⑨林志洋(リン・ジーヤン) 輔仁大學 176cm 77kg 21歳 右左 捕手
契約金、月給、出来高は不明 背番号89
大学では主戦捕手としてプレー。Cとしてはスムーズで素早い送球を誇り、打撃ではミートに長け流し打ちを得意とするが、ボールを後ろ寄りで捌く傾向にあり、プロのボールについていけるかがカギとなりそう。
⑩潘庭豐(パン・ティンフォン) 義大練習生 174cm 85kg 23歳 左左 投手
契約金、月給、出来高は不明 背番号79
昨年もドラフトに参加も落選、今季から義大の練習生として二軍で12試合に登板しERA8.68。(7/10現在)左腕ながら安定して140~145km程度のストレートをマークするが制球に苦しみ、カーブ、チェンジアップといった変化球も自信のなさからなのかほとんど投げることなく直球のみで打者と勝負する姿が目立った。一軍で左のリリーフとして活躍するならば制球難の改善はもちろんのこと、変化球の質を高める必要がある。