台湾プロ野球データベース コラム集

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2017CPBLドラフト指名選手リスト ラミゴ+統一

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ラミゴ(指名8名)

廖健富(リャオ・ジェンフー) 高苑工商 178cm 85kg 18歳 右左 捕手

 CPBL史上初の高卒選手として全体ドラ1指名を受けた捕手。昨年のU18アジア選手権ではセミファイナルラウンド韓国戦で先制2ランを放つなど活躍し捕手としてベストナインを獲得。打撃に長けた捕手として評価は高く、内外角共にシンプルなスイングでボールを捉え、選球眼と辛抱強さも兼ね備える。打撃の完成度はすぐにプロ入りしても打率3割を狙えるとの声もあるほど。一方で高校時代はDHメインに出場し、高3に入ってから出場機会の増えた捕手としてはキャッチングと肩は平均レベルもブロッキングと盗塁阻止能力には課題を残す。強打を武器に活躍しているチームの先輩林泓育の後継者として期待が寄せられている。

 

林立(リン・リー) 圀立體大 180cm 80kg 21歳 右右 内野手

 2BをメインにSS、3Bもこなす守備力に長けた内野手。打撃では選球眼と外角低めを流し打つのを持ち味とし、HRは少ないが外野のギャップを抜く長打を放つ一方、内角球の多くがゴロとなり外角を意識するあまり吊り球に容易に手を出すことが課題。守備は肩と範囲は平均以上も足さばきが安定せず簡単な打球処理を誤ることも。ウインターリーグには15年から2年続けて出場しそれぞれ打率.341 打率.349と活躍、守備でも前述の3ポジションをこなした。国際大会代表に大学進学後縁がなく、昨年も怪我でU-23ワールドカップの代表入りを後少しのところで逃した。今年のユニバーシアードには代表候補として名前が挙がっており、大学進学後初の国際大会代表となる可能性が高い。単なる「内野の便利屋」としてだけでなく打撃も高いレベルにあるため一軍で積極的に起用される日も遠くないだろう。

 

成晉チェン・ジン) 平鎮高中 186cm 88kg 18歳 右右 外野手

 強豪平鎮高中を投打両方で支えた二刀流。台湾の甲子園と目される高校野球大会「黑豹旗」で昨年4番として打率.621 16打点の二冠と大活躍、CFとしてベストナインを獲得しチームを優勝に導いた。投手としては最速145kmのストレートにカーブ、スライダー、チェンジアップなどを駆使した頭脳的なピッチングを見せ、野手としては最短距離でバットを出しボールを芯で捉える技術に長け、高校入学当初少なかった長打もスイング軌道を修正するようになり出るように。守備はスピードは平均レベル、範囲は広くないが打球判断は正確。プロ入り後は外野手として起用されるとみられ、スピードの平凡さと体格を考慮しコーナーOFとしての育成が有力視される。

 

萬昭清(ワン・ジャオチン) 穀保家商 177cm 70kg 18歳 右右 投手

 アマ球界ではお馴染みの高卒右腕。11年の第1回IBAF世界少年野球選手権(現在のU12ワールドカップ)でキャプテンとして優勝に導いた頃からアマ球界では有名な存在であり、その後も国際大会の常連に。今年の高校野球リーグではERA0.77 27IP/29Kで4勝をマーク。ストレートの球速こそ最速145kmと平凡ながらキレがあり、ストライクゾーン低めのコースを突ける制球力の高さを武器とする。変化球はスライダーを武器とするが左打者に対してはチェンジアップを投じることも。惜しむらくは小柄な体格故高校時代に球速が上がらなかったことで、プロでは球種の少なさも加味すればリリーフが適任とみられる。

 

林逸翔(リン・イーシャン) 高知ファイティングドッグス 184cm 80kg 24歳 左左 投手

 米日の野球を経験した本格派左腕。12~16年までオリオールズRk、A-でプレーし今季は四国アイランドリーグ・高知で9試合2敗 23.1IP ERA3.09。制球力が課題でマイナーではなかなか次のステップに進むことが出来なかったが、変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップと多彩でストレートも角度がありコンスタントに140km中盤をマークする。プロでは貴重なスピードあるリリーフ左腕として生き残りを図りたい。

 

吳丞哲(ウー・チェンジェ) 輔仁大學 180cm 93kg 22歳 右右 投手

 打者を料理する術を知るゴロボーラー。ストレートの最速は143km程度ながら、内外角の低めにスライダー、カーブ、チェンジアップ。ツーシームといった球種を集めゴロを生み出し、特にピンチの場面ではツーシームを駆使する。昨年のウインターリーグでは9試合全てにリリーフ登板し9.1IP/4K/0BBと完璧な投球。体も十分で連投も苦にしないため、即戦力として勝ちパターンのリリーフに入る日も遠くない。

 

黃子鵬(ホァン・ズーポン) 崇越隼鷹 183cm 80kg 23歳 右左 投手

 独特の投球スタイルで打者を幻惑する高身長サイドスロー。制球力に長けストライク先行の投球を展開可能。ストレートは135km前後ながらサイドスロー独特の沈む軌道を描き、変化球はスライダーとシンカーと横の揺さぶりで勝負する。サイドスローの課題である左打者相手にも内角を厳しく突くことができ、奪三振能力も高くフィールディングも優れている。一方でダイナミックな投球フォーム故、盗塁を容易に許してしまうケースが多いため牽制技術を磨く必要がありそうだ。昨年後半に球速が落ちスランプに陥ったこともあり16年ドラフトには参加せず、大学卒業後は崇越でプレー。このスランプもドラフトでの下位指名に繋がったと考えられるが、以前の状態に戻れば右打者相手のリリーフとして面白い存在となれるだろう。

 

黃敬瑋(ホァン・ジンウェイ) 中國文化大學 176cm 76kg 22歳 右左 内野手

 粘り強さとユーティリティーさが売りの選手。大学強豪である文化大學の激しい競争の中にあり出場機会こそ恵まれなかったが、打撃では粘り強さと高い選球眼を持ちスピードも兼備、守備では2B/CFをメインに複数ポジションをそつなくこなし、自らの持ち味を意識したプレーを見せる。昨年のU23ワールドカップ代表で、大会前の日本遠征となった巨人二軍戦では與那原から3ランを放った。ラミゴが好む便利屋として着実にアピールしたい。

 

統一(指名8名)

陳重羽(チェン・ジョンユ) 國立體大 183cm 83kg 21歳 右右 捕手

 統一期待の即戦力捕手。統一ドラフト2位で指名を受けた弟・陳重廷と共に台湾人選手としては史上7度目となる兄弟同チームでのプロ入りを果たした。C/OFの両方をそつなくこなし、Cとしては天性のセンスを誇り強肩で送球も正確、バント処理などの細かな動きもそつなくこなす。OFとしても俊足を生かし守備範囲は広い。打撃に関しては速くパワーのあるスイングから放たれる長打力がよりこの1年で増し、選球眼も向上。ミートの確実性を高め、外角への対応を強化すれば打者としてもより怖い存在となれるであろう。統一は長年チームを支えてきた主戦捕手である高志綱が30代後半となり彼の加入は即戦力捕手を欲してきたチームにとってはこれ以上無い補強となった。今年のユニバーシアード代表キャプテンを務めるなどキャプテンシーにも優れている。

 

陳重廷(チェン・ジョンティン) 中國文化大學 181cm 81kg 21歳 右右 内野手

 スピードと守備力に優れた内野手。力強いスイングから放たれる打球スピードは速く、低めのボールを長打にするのを得意とし大学時代にパワーが増したことで大学入学時の1番から現在はクリーンアップを打つまでに成長。スイングの軌道が不安定でミートの確実性に欠けること、四球をあまり選ばない傾向にあり打席での辛抱強さと選球眼が課題。メインは3Bだが、高校時代まではSS、ここ最近はLFを守っていたこともありプロでは複数のポジションをこなす事も考えられる。

 

施子謙(シ・ズーチェン) 台灣體大 184cm 96kg 22歳 右右 投手

 怪我を乗り越えマウンドに戻った右腕。高1で148kmをマークする等期待されていたがその後右肘の故障もありスピードが戻らず、高校時代は4番1Bとしてプレー。大学進学後は再び投手に戻り3年間はリリーフ、4年生から先発としてプレーし今年の春季リーグでは33.2IP/32K/ERA0.27の好成績で最優秀投手に輝いた。先発としては140km前後のストレートに制球の良いスライダー、カーブ、130kmを超えることもあるチェンジアップが持ち球で、牽制も素早く走者にプレッシャーを与える。先発としては6回以降に球威が落ちるスタミナ、左打者に対する武器が不足しているのが課題だが、プロでもローテ下位からチャンスが与えられる可能性は高い。

 

吳桀睿(ウー・ジェルイ) 台灣電力 170cm 80kg 24歳 右右 捕手

 打撃に自信の便利屋。昨年もドラフト候補となるも落選し挫折感を味わったが今年の春季リーグでは.389/.425/.556と好成績を残し、ユニバーシアード代表候補入り。メインはCながら高校時代は投手以外の8ポジションを守った経験があり、大学時代は3Bも、そして今年のユニバーシアードの代表候補チームでは2Bメインに。打撃はパワフルながら最近はスイングがよりシンプルに、ボール球にも容易に手を出さなくなり落ち着きを見せ、ライナー性の長打も増加。守備は平凡ながらC/2B/3Bをこなすだけの高いキャッチング能力は持ち合わせており、プロではどのポジションでチャンスを掴めるか注目したい。

 

黃竣彥(ホァン・ジュンイェン) 國訓 190cm 92kg 23歳 右右 投手

 高身長右腕。190cmの長身を生かした角度のあるボールは打者に威圧感を与え、力みのない投球フォームから安定して140km中盤のストレートを投じる。主な変化球はスライダーとフォークの2つで共に135kmに迫るスピードで特にフォークは空振りを多く奪うことができる。欠点はボールの安定感にムラがあることで制球力の乱れから全力で投球できないシーンも見られる。現在の能力ではリリーフ向きだが、先発として育成するのも一考の価値があるだろう。

 

賴奕成(ライ・イーチェン) 嘉義高中 187cm 85kg 18歳 右右 投手

 将来の先発投手として期待したい右腕。上背を生かしたオーバースローから最速144kmのストレート、スライダーとカーブが持ち球でコーナーに投げ分けゴロを量産する。今年の高校野球リーグでは25IP/19Kをマーク、スタミナも申し分ないところを見せた。序盤に打ちこまれてもその後容易に失点を許さない粘りの投球を披露するなどメンタルも高卒選手としては成熟しているが、ダイナミックな投球フォームゆえ故障には気をつけたい。

 

林勝傑(リン・シェンジェ) 義守大學 172cm 86kg 22歳 右左 外野手

 4年前にチームが発足したばかりの義守大學で初のプロ野球選手。小柄ながらパワーも秘めており、シンプルで速いスイングから逆方向へのヒットが多いものの外野の頭を抜く長打も飛び出す。国際大会とは縁がなかったが15年の春季リーグでは全体2位の打率.519、2年続けて参加したウインターリーグでも打数は少ないながら両年ともOPS1超えを果たすなど打撃の実力は証明済み。選球眼は改善の余地ありで低めの変化球と高めの吊り球のストレートへの対応が課題。守備は平均以下でコーナーOFを中心に守ってきたため、プロでも打撃で生き残りを図ることとなるだろう。

 

鄭鈞仁(ジェン・ジュンレン) 輔仁大學 184cm 95kg 21歳 右右 投手

 代表候補チームでは主に中継ぎとして起用された右腕。この1年でスタミナを向上させ「以前は先発すると6回で130km台に落ちていた球速が今では143kmを出せるようになった」との本人談。内外角の低めにボールを集め打者にボールを捉えさせない投球スタイルで、主な変化球はスライダーとチェンジアップ。チェンジアップは左打者には外に逃げるような軌道を辿るが、制球力が今一つ。投球フォームも安定せず制球難に陥るケースがあるためプロでは改善したい。

 

参考:

https://www.sportsv.net/articles/42526

https://www.sportsv.net/articles/42558

https://www.sportsv.net/articles/42585

https://www.sportsv.net/articles/42611

https://www.sportsv.net/articles/42630