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台湾プロ野球データベース コラム集

ホームページ「台湾プロ野球データベース」(http://cpbldatabase.jimdo.com/)のコラムを掲載しています。

期待の若手右腕にインタビュー 黃亦志(義大)

 史上稀に見る「打高投低」の状況が続いている今年の台湾プロ野球。特に投手陣は各チーム外国人への依存度が相変わらず高く、台湾国内の特に先発投手が育ちにくい傾向が目立ちます。そんな中今回は9/12現在後期首位、リーグ1位のERAを誇る義大においてルーキーながら9試合(すべて先発)に登板しプロ初勝利もマークした期待の若手先発右腕、黃亦志(ホァン・イージー)投手にインタビューすることができました。野球を始めたきっかけからプロ入り後の変化、そして日本の台湾プロ野球ファンの皆さんへのコメントもいただきました。それではご覧ください!

 

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黃亦志(ホァン・イージー 24歳)

 1992年6月1日生まれ。宜蘭縣出身、180cm 80kg、右投右打、背番号は38。高校の強豪平鎮高中を卒業後輔仁大学に進学、昨年の光州ユニバーシアード競技大会代表に選ばれるなど主に先発として活躍、昨年のドラフトで義大から3位指名を受け入団。9/12現在の一軍成績は9試合1勝2敗 37IP ERA6.08。昨年10月に兵役を終え、実質今年がルーキーイヤーとなる。

 

Q1.野球を始めたのはいつですか?どのような契機があって始めたのかも教えてください。

A.小学校2年生から野球を始めました。当時は両親が共に仕事で忙しく、放課後から家に帰っても誰も家にはいなかったんです。兄がその頃学校のチームで野球をしており、母が安全を考慮して私も一緒にチームに入り野球をしたらどうか、と薦めてくれたことがきっかけで現在まで野球を続けています。何気なく始めたことが上手くいった、という感じですね(笑)

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Q2.義大でプロとしてのキャリアをスタートさせたわけですが、大学までと比べて生活面で変わったことはありますか?

A.自主練習と私生活、この二つはアマの頃よりも更に重要になってきていると思います。多くの人が「プロ野球は自分の考えや行動が影響を受けやすい場所だ」と言うように、良い生活サイクルを保つことが出来るかどうかがとても大事です。プロに入ってから沢山チームの先輩と話していくうちに、チームの動きを把握したり、選手のみんなと距離を縮め打ち解けるようになったりしたおかげで、徐々に生活そして気持ちにおいても義大というチームに早く溶け込むことができました。なので今のところ特に問題はありません。

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Q3.現在の台湾プロ野球は4チームしかなく、加えて今年の極端な「打高投低」は投手の皆さんにとってかなり大変な環境だと思います。投手の立場から、現在の中華職棒の環境に関してどのような考えをお持ちでしょうか?

A.時々大変だなあと思うことはやはりありますが、しかしこの環境は自分では変えられないですから、自分なりのベストを尽くして自分と環境に適したスタイルを見つける必要があります。例えば試合前に多く相手チームの打者の動画を分析して弱点を見つけ出せば、より簡単に相手打者に立ち向かえますし、そうすることで自分への自信も一層強いものになります。

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Q4.尊敬している選手は誰ですか?理由もお聞かせください。

A.一番尊敬している選手は潘威倫(統一)先輩です。小さい頃から投球を見ていますが制球力、打たれ強さ、ピンチの際の投球、どれも素晴らしいです!そして何より一番大事なのは先輩の練習態度が積極的であることだと思います。同じ投手として先輩の兼ね備えている要素は私がプロに入った後も学ばなければいけないものです。

 

Q5.プロ初勝利を挙げた8月7日の試合のピッチングをもう一度振り返ってください!

(対中信兄弟戦に先発し5.0IP/5K/1BB/2Rで勝利投手)

A.プロ初勝利を挙げられてもちろんとても嬉しかったですが実はあの試合、経過を振り返っても特に印象深かったシーンがないんですよ!(笑)ただ6回まで投げきれなかったのは唯一残念な部分ですね。実は以前にも中信兄弟相手に投げたのですが、中信兄弟は1番から9番までとても特徴のある選手が揃っているので、試合前に各打者のバッティングの特徴を把握するため沢山の課題をこなし、良い結果を残すことができました。

www.youtube.com

(緯來體育台による初勝利を挙げた8/7の試合に関するインタビュー映像)

 

Q6.プロ入り後、自身のピッチングに関して何か変化はありましたか?

A.コーチがスムーズな投球フォームになるようサポートしてくださるので、私にとって大きな助けになっています。しかし一番大きく変わった部分は投球に対する考え方です。時々メンタルは野球の技術よりもより重要となることがあります。技術はいつでも練習することができますが、メンタルが良くなければ何をしても壁にぶつかったような感覚に陥ることになりますからね。プロ初登板から初勝利まで「打者を恐れすぎないように」と自分に言い聞かせていました。ヒットを打たれても、三振を奪っても、四球を与えても、それら全てはいつもマウンドに上がれば直面する状況です。気持ちの波を大きくせず一定のコンディションを保ち、パフォーマンスの起伏の落差を大きくしないよう心がけています。

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Q7.ご自身の長所と短所はどこにあるとお考えですか?

A.一番の長所は少し悪かったからといって落ち込んだりすることがあまりないことですね!壁にぶつかっても焦らず、素早く方法を見つけて問題を解決できるところです。逆に欠点は試合での経験が不足していることですが、プロ1年目ですから自分に飛びぬけた成績を必ず残すことは求めていません。体の健康を保って、引き続き毎試合の登板を通じて経験を積んでいくことが一番重要だと考えています。

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Q8.台湾プロ野球の魅力はどこにあると思いますか?

A.ファンと球団の応援スタイルですかね。球場がコンサート会場みたいなプロ野球がある国はそうそうないでしょう?(笑)たくさんの所において日本や韓国、アメリカのように素晴らしいわけではありませんが、少なくとも台湾プロ野球なりの独自の道を徐々に歩み出していると思います。将来より多くのファンが私たちの応援に球場に駆けつけてくれるといいですね。

 

Q9.もしお薦めの美食があれば紹介していただけますか?

A.普段球場にいないときはホテルに戻って寝ていて外をウロウロすることがあまりないので、美食に関してはそれほど詳しくないんです(笑)でも新莊棒球場の近くにある豬血湯の店と、「汾條伯」 (筆者注:餅米の腸詰めで台湾風ソーセージを包んだ"大腸包小腸"が有名な店。台湾プロ野球が始まってから現在まで球場前で27年間販売を続け、今年5月には中信兄弟ホームの試合で店主が始球式を行った。)という店は美味しかったです。球場に来る道中で是非買って食べてみてくださいね!

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Q10.これからプロを目指すアマの選手にどのようなアドバイスをしたいですか?

A.大事なのは気持ちの部分ですね!野球の技術よりもより一層準備して、完璧に近づけてほしい部分です。普通は素質のある選手がプロに入ってくるので技術が足りない選手は少ないですが、自分の心に打ち負かされる選手は意外と多いんです。とにかく恐れずに最高峰であるプロ野球に挑戦してください。チャレンジしなければ自分の能力がどれくらいあるのか分からないですよね?考え過ぎずに勇気を持って自分の夢を追い続けてほしいです。

 

Q11.最後に日本の台湾プロ野球ファンの皆さんに一言お願いします!

A.台湾プロ野球に関心を持ってくださりありがとうございます。台湾のプロ野球が日本のプロ野球と同じように盛んなものとなって、実力も追いつけるようになればいいなと思っています。これからもアマの大会や国際大会において沢山の交流の機会があると思いますが、その際は日本のファンの皆さんに台湾の選手の実力をお見せします!特に私のパフォーマンスを見てください!(笑)

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黃亦志投手、シーズン中のお忙しい中丁寧にお答えいただきありがとうございました!今後の活躍をお祈りしております。