2022CPBLドラフト指名選手リスト 台鋼(12~26巡目)
⑫曾宸佐(ツェン・チェンズォ) 安永鮮物 178cm 75kg 23歳 右右 OF
〇守備 △右方向への打球
主要国際大会経歴(高校以降) 16年::U-18アジア選手権 21年:U-23ワールドカップ
ディフェンシブな外野手。高苑工商を卒業後、中国文化大学に進学し実績、実力は申し分なかったが2年前、昨年のドラフトで指名なし。卒業後は安永鮮物でプレーし3度目のドラフト参加でようやくの指名となった。打撃はシンプルなスイングで、ボール球に容易に手を出さず、失投をしっかり捉える。打球も広角に飛ばせ、大学後半からはパワーも向上。右方向への打球を放つ際に長打が少ない点は改善したい。走力は平均レベル。最大の武器である守備は打球判断に優れ、CFとして広い守備範囲を誇る。肩は平均レベルながら送球は正確。上位打線を任されるCFとして全盛期の林哲瑄(富邦)のような活躍に期待したい。
⑬陳致嘉(チェン・ジージャ) 国立台湾体育運動大学 180cm 85kg 20歳 右右 C
主要国際大会経歴(高校以降) なし
ディフェンシブな捕手。2年ぶり2回目のドラフト参加での指名。17年にはU-15アジア選手権代表に選出。本人は中学時代に張志強監督(元統一)から教えられたインサイドワークに自信を持っている。憧れの選手は高志綱(元統一)。
⑭馬許晧(マ・シューハオ) 普門中学 178cm 75kg 19歳 右左 3B
〇アップサイド
主要国際大会経歴(高校以降) なし
率も見込める高卒3B。葉竹軒(富邦)は親戚。排湾族で、小学校から現在まで台湾南部の屏東県でプレーしてきた。打順は主に1、2番に入ることが多かった。がっちりとした体格で、スイングはスムーズでボールを捉え、広角に打ち分ける。中距離打者として育成していきたい。
⑮黃秉揚(ホァン・ビンヤン) 美和科技大学 175cm 75kg 19歳 右右 SS/3B
主要国際大会経歴(高校以降) なし
ディフェンシブな内野手。高苑工商ではキャプテンを務め、卒業後は美和科技大学に進学。1年生でプロ入りを果たした。大学入学後のポジションはSS/3Bを主に守り、打線は7番を打つことが多かった。
⑯陳冠豪(チェン・グァンハオ) 開南大学 184cm 80kg 19歳 右右 RHP
〇投球フォーム △故障 コントロール 変化球
主要国際大会経歴(高校以降) なし
蔡仲南(元興農)のような、思い切り体を沈み込ませる投球フォームが特徴の右腕。全身を柔らかく使い、体のバネを生かしたエクステンション大のフォームから投じる、最速153km、リリーフでは145~150kmをマークするストレートで打者と勝負するファイアーボーラーだが、特別空振りを奪えるボールではなく、コントロールも平凡。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップを投じるがどれも平凡。特異な投球フォーム故に体への負担も大きく、長いシーズンを戦う上での耐久性には疑問。スタミナと技術を身に着け、タイプが似ている許峻暘(樂天桃猿)のようなリリーフとして生き残りたい。
⑰蕭柏頤(シャオ・ボーイ) 美和科技大学 175cm 70kg 22歳 右右 RHP
主要国際大会経歴(高校以降) なし
大学でレベルアップした右腕。高校までは目立った実績を残せなかったが、大学に入ってからは科学的なトレーニングを取り入れたこともあり球速が10km以上アップし、去年の大学野球リーグでは自己最速145kmをマーク。先発では常時130km後半のストレートとスライダー、カーブのコンビネーション。対左打者対策としてチェンジアップなどの球種を増やしたい。
⑱李欣穎(リ・シンイン) 崑山科技大学 182cm 75kg 22歳 右右 RHP
主要国際大会経歴(高校以降) なし
崑山科技大学からは初のプロ野球選手。コントロールと球質に自信があるとの本人評。最速は145km。
⑲巴奇達魯・妮卡兒(バチダル・ニカール) 高苑科技大学 183cm 80kg 22歳 右左 OF
〇パワー 肩 △引っ張り中心 アプローチ 走力
強肩強打の外野手。阿美族で、昨年原住民名に改名。爆発力あるスイングから、ボールをしっかり捉え広角に打球を飛ばす。引っ張った打球が多く、流して長打を打てる技術を身に着ける必要がある。アプローチに課題があり、変化球への空振りが多い。スピードは平均以下、肩は平均以上も送球の正確さを高めたい。現時点で攻守の成熟度は低いが、時間をかけて育成し、主軸を任せられるコーナーOFとなりたい。
⑳孫易伸(スン・イーシェン) 中国文化大学 183cm 95kg 22歳 右右 OF
〇パワー アプローチ コンタクト △引っ張り中心
主要国際大会経歴(高校以降) なし
中国文化大学の4番打者。穀保家商から中国文化大学に進学。大学1年時に腕の怪我、2年時に肩の怪我で離脱があったものの、長打力ある外野手としてパワーアップ。アプローチ、コンタクトに長ける。スイング時の腕の使い方に課題があり、打球は多くが引っ張りで、右方向への打撃技術を高めたい。長打力ある選手が少ない若い台鋼では来季二軍で主軸を任される可能性が高い。
㉑王博玄(ワン・ボーシュエン) 台北市立大学 184cm 76kg 22歳 右左 1B/2B/OF
〇ユーティリティー性
主要国際大会経歴(高校以降) なし
新しいチームで様々な役割を果たしたい野手。2年ぶり2回目のドラフト参加での指名。高校では1Bメインも、大学では加えて2B/OFもこなすユーティリティーとして活躍。昨年と今年のU-23ワールドカップトレーニングチーム入り。
㉒林建宏(リン・ジェンホン) 東石高中 183cm 75kg 19歳 右右 RHP
〇アップサイド
主要国際大会経歴(高校以降) なし
細身の右腕。東石高中では盧孟揚に続く2番手投手として活躍。平均130km後半~140kmのストレートは今年の高校野球リーグで自己最速146kmをマーク。変化球は120km前後のスライダーがメイン。完成度は低いが、細身の体格でアップサイドは見込めるため、先発投手として二軍でじっくりと育てたい。
㉓許育銘(シュ・ユーミン) 台北市 180cm 85kg 24歳 左左 LHP
〇コントロール マウンド捌き △ウイニングショット 球威
主要国際大会経歴(高校以降) なし
安定感が武器の左腕。17、20、21年のドラフトに参加も指名はなく、4度目での指名となった。昨年の大学野球リーグでは決勝戦で先発し6.1IP/1Rで優勝に貢献。ストレートは最速144km、平均138~140km。持ち球はカーブ、スライダー、チェンジアップ。武器となる球種はないが、スムーズなメカニクスからコントロールに長け、内外角のコーナーにしっかり決める。冷静なマウンド捌きも良い。ストレートの強度が上がれば、左殺しのリリーフになれるポテンシャルを秘めている。
㉔陳正毅(チェン・ジェンイ) 桃園市 181cm 68kg 22歳 右右 RHP
〇アップサイド △経験 ウイニングショット
主要国際大会経歴(高校以降) なし
離島・小琉球から誕生した初のプロ野球選手。中学まではソフトボール、高校では軟式でもプレーしU-18代表入り。環球科技大学を卒業後は社会人の桃園市でプレー。ショートアームから最速142km、平均130km後半~140km前後のストレートに、変化球は120km前後のスライダーを主に投じるが、打者を打ち取るウイニングショットに欠ける。先発としてはウイニングショットを磨き、また硬式でのプレーも日が浅いため、二軍で場数を踏みレベルアップしたい。
㉕邱邦(チョウ・バン) 台北市 170cm 80kg 24歳 右右 C
〇パワー
主要国際大会経歴(高校以降) なし
社会人でトップクラスの捕手。昨年に続く2度目のドラフト参加で指名となった。台東出身の排湾族で、高苑工商、台北市立大学を経て台北興富發入りし、強打の捕手として活躍。今年の春季リーグでは12試合 打率.487 1HR 10打点 OPS1.192をマーク。体格は小柄ながら長打力を活かし、打撃で新球団でのレギュラー争いで差別化したい。
㉖林威漢(リン・ウェイハン) 高知中央 176cm 76kg 18歳 右左 OF
主要国際大会経歴(高校以降) なし
日本の高校を卒業した年にドラフト指名された初の選手。中学を卒業後、台湾の中学生の日本の高校への野球留学を支援する団体「ACE Program 台日野球留学支援」のサポートのもと、高知中央高に入学。入学後から積極的に起用され、1年時には練習試合で智弁学園を相手に投手として6回無失点の好投。しかしその後は結果が出ず苦しんだ。転機となったのは3年に入ってからで、主にクリーンナップに入るようになり、夏の高知大会準決勝の高知戦では森木大智(阪神)からタイムリーを放った。最大の武器は打撃で、3年時に監督として指導した太田弘昭監督からは「長打力が魅力」との評価。ドラフトでは全体最後の指名となったが、中軸を任された打力と日本で学んだ技術を新球団で発揮したい。
参考
Taiwan Baseball Notes
https://taiwanbaseballnotes.com/
小楓康
https://www.sportsv.net/articles/95992
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